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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
Unknown/未知数
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いられる人間などいるはずも


「むぐっ!?」

いた



「はぁ、はぁ、はぁ・・・・イってぇぞこのアマァ!!!」

「ぐ・・・きゃ、あグゥッ!!?」

それだけの砲撃の中、セルトマンはなのはの顎を掴んでいた。
そして軽く持ち上げると手を放し、そのまま裏拳で彼女の横っ腹を思い切りなぐりつけた。


砲撃が切れ、吹き飛ぶなのは。
木に叩き付けられた彼女は血を流しながら呻き、しかしガクッと気絶して全身から力が抜けた。

ズゥン、とその木が折れて倒れ、なのはのバリアジャケットが解除されてしまった。


「なかなか・・・効いたぞ」

対して、セルトマンも無傷というわけではない。
口元から血は垂れているし、髪を書き上げるとぬるりとした血の感触が手に残る。

内臓は握り捻られているかのように痛むし、呼吸のたびに胸が痛む。
ゴホッ、とせき込み、それだけで痛む身体。


「いてて・・・あとは、と」

ザクッ!!

「いった!!」

「逃がさないぞ!!」

エリオのストラーダの先端が、セルトマンの太ももを切り裂いて血をしたたらせる。
あの時の手ごたえのなさは、エリオが自ら後ろに跳ねて回避したのだと、セルトマンは今更思い出した。


「ああ、おまえか」

だが目の前の青年を見て、セルトマンはそんな感想を漏らした。
ただ単に「そこにいたんだ」という、目の前の状況をそのまま洩らしたかのような、特に焦りも何もない表情。


「いや、お前を軽く見ているわけじゃないんだ。エリオ、お前の実力は相当高い。それはわかる」

「・・・・・」

セルトマンの言葉を、黙って聞いていくエリオ。
だが、彼はその言葉よりももっと目を見張るものが見えていた。


「いずれはフェイトをも超えるだろうな。っていうか、蒔風との連携で雷攻撃できるのお前くらいじゃね?」

「ばか・・・な・・・」

「あの連携雷攻撃だって、蒔風がお前に合わせていたわけじゃないだろ?そんななまっちょろい威力じゃなかったし」


エリオが見ていたのは、セルトマンの傷。

話していくうちにセルトマンの顔が、痛みで重くなっていたものから軽いものになっていく。
それどころか、血で汚れた部分がなくなっていてすらいた。

ザラリと血が落ち、しかもさっき切りつけたばかりの太ももの出血がもう治まっているではないか。



「だが残念だったな。お前ら人間じゃ俺には勝てん。人間の延長であるお前らには、な」

「なにを――――」

「科学の世界では、親は子に勝てない。そりゃそうだ。そっちのほうが最先端なんだし」

そう言っているうちに、太ももの傷が、ふさがっていく。
ならば攻撃の手を休めるべきでは
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