第六章 Perfect Breaker
Unknown/未知数
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る。
それを可能にするのが世界に20人といないとされる聖人の一人、神裂火織だ。
「人の子」と身体的特徴が似通っているために、莫大な力を得て行使することが可能な彼女からすれば、これですら力のほんの一端に過ぎない――――
その凄まじい轟音と爆ぜる地面に、ショウも思わず顔を覆って後ずさった。
だが、上空の神裂は目を見張る。
この無数のワイヤーによる猛攻の中、触れれば即切断という音反り射程の殺戮の世界の中―――唯一原形を崩されぬ存在が、踊るように全てを回避していたのだから。
「この男――――ッッ!!」
話には聞いていた。
セルトマン直属の配下五人は、それぞれが特化した能力持ちであったと。
彼等はそれを「完全」と名付け、その尖った才能一つで「EARTH」と戦っていた。
サーヴァントなど、彼等の後を埋める余興でしかなかった。
その完全とは、速度、再生、防御、攻撃。
だが神裂に言わせれば、それすら余興だったのかもしれない。この男はそれらを越えるものを感じる。
攻撃に使えそうにない。
防御としてもいまいち。
早さ、再生などは得られるはずもない。
一見そう思われるこの能力は、敵に回して初めてわかる最大の脅威。
「見極の、完全――――!!!」
「来なよ、おねーさん。あんたの攻撃は見えてる」
「――――Salvere000ッッ!!」
唱える。
我が名、存在はそのようにあるとの宣言。
彼等の魔法名は、絶対なる覚悟の元に叫ばれる全力の宣言。
魔術師ごとに名は違い、同じ語句でも意味は異なる。
彼女のその意は「救われぬ者に救いの手を」
皆を救って見せると宣言する彼女は、己の持つ攻撃に、一切の容赦を捨て去った。
「ッ、ユーノ!!」
「わかってる!!」
神裂の覚悟を聞き、ショウが叫んでユーノが応える。
刀を構える神裂は、その力すべてをその一撃にかける。
たとえ見極だろうとも、攻撃範囲内にいた時点で回避しようのない最大の一撃を――――!!
「結界展開!!」
「お前ら伏せろォッ!!」
「唯閃ッッッ!!!」
音が消える。
無音の中、めくれあがって吹き飛ぶ土砂だけが視界を覆っていく。
「――――――ッッッ!!!」
その土砂の勢いは、一部をユーノの結界展開の速度をくぐり抜けさせ、一気にショウへと圧し掛かるほど。
それがショウへと落ちてこようとしたところで
ォオ―――――ドンッッ!!!
どこかに行っていた音が帰って来たかのような、そんな風に聞こえる轟音。
その轟音が結界を揺さぶり、さらに衝撃でショウへと落ちる土砂をバラバラに吹き飛ばして霧散させる。
「ゥあ
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