第六章 Perfect Breaker
聖杯怪獣/岩鉄巨人
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どどこから引っ張ってきたのだ!?
「忘れたのかよ。時空管理局の置き土産だ!!!」
「ッ――!!あれか!!!」
ハッとしてセルトマンが振り返る。その視線の先には、巨大な鉄塊が。
巨大な鉄塊と化して、ガラクタとなっていた巨大戦艦アヴィルドムの残骸が、ほとんどなくなっている―――――!!!
「こんだけの質量、そうじゃなきゃ創れねぇよ」
もしすべてを地面からだったとすれば、足場を削って作ることになる。
そんなことになっては戦闘もままなるまい。だが、それを少しで済んだのは、これのためだった。
「だがまあ破損がひどくてな。そのまま武器は使えないんで、ちょいと劣化してるが――――喰らえ!!」
「クソッ!!」
「プラズマキャノンだ!!」
ドォンッ!!!という爆破音を、セルトマンは背中で聞いた。
最早階段を駆け昇るなどという悠長なことは言っていられない。
手すりに足を掛け、跳躍して屋上を目指す。
だが攻撃の振動で、想うように連続して跳んでいけない――――
「何が劣化だふざけんなよ・・・それだけでも十分に驚異だってンだよ!!」
大聖杯に大穴があき、ドロリと純魔力の塊がスライムのように流れ出る。
だがそれが地上に垂れ流されるよりも早く、巨人はそれを吸い上げていく。
ズッ、ガシュウ――――ブシッ、ガゴン!!
撃ち放たれたプラズマキャノンの砲口が回転しながら腕の中に飲み込まれていき、煙を上げながら消える。
肘を引き、リロードするかのようにガゴン、と揺らして体制を整える。
そして、岩石の両腕がビルの大穴の中に突っ込まれていく。
「おぉら!!」
大聖杯からの直接接種。
魔力の流れがさらに大きくなって行き、巨人の胸部へとそのエネルギーが充填されていっていた。
「それ以上させるか!!」
だが、同時に「EARTH」ビル屋上にセルトマンが到達した。
頭無き巨人を睨み付け、バチンと力強く指を鳴らした。
すると、大聖杯の――――「EARTH」物の上半身、ともいえる高さに、魔物どもが寄り集まってきた。
魔化魍やマジュウまでもが固まっていき、それらが融合して一つの肉へと形を変える。
「EARTH」ビルは39階建て。
その37階あたりから、頭部と思われる肉がせり上がってきた。
頭には大きく突き出した突起があり、まるでナイフのような形をしている。
やがてビルからは腕が生え、下半身はビル、上半身が怪獣というおかしな魔物が完成。
「行けェ!!」
「迎え撃て!!」
伸ばされる怪獣の腕を、巨人は右腕をビルから抜いて、真正面から受け止めた。
さらに突っ込んでくる頭部のナイフ部分を左腕でつかみ上げ、捻り千
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