第六章 Perfect Breaker
聖杯怪獣/岩鉄巨人
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ろした。
ダゴンッッ!!!
「ブ―――」
ドォンッッッ!!
咆哮の第一声だけを残し、ヤマビコが粉砕された。
巨大な塊がヤマビコの真上から落下して、その巨体を押しつぶして塵へと変えたのだ。
「・・・・・・え?」
「悪い。時間かかった。ここからは―――――こっちの時間だ」
ショウが再び、拳を握る。
すると先ほどヤマビコを押しつぶした岩塊が浮き上がり、ショウの構えと連動して同じように動く。
更に左腕を構えると、そちら側にも同じように岩塊が。
わかるだろうか。
そう、実際には触れないものの、ショウの目の前にある二本の剣が「操縦桿のよう」というのは、あながち間違ってはいなかったのだ。
彼が立つのは、操縦席。
その動きに連動して、この岩石の巨人は敵を粉砕する。
「立て」
ガゴンッ、ガゴンッッ!!と、連続して足場から重々しい微振動と轟音がする。
上に立つ彼等からは見えないだろうが、離れて見ればはっきりとわかる。
いま、プレートの下に岩石などが宙を浮いては次々に引っ付いていき、その胴体を形成しているのだ。
それは宙に浮く巨椀と繋がり、次に脚を作り出して大地にその全体重をかけるべきそれを完成させ、構築を完了する。
同時、その全体重がついに大地へと掛けられ、ズゥンという地響きと、各箇所から煙が上がってガシュゥと息づくように身体を揺らす。
プレートの高度、つまりは身長も押し上げられるように上がっており、その大きさは「EARTH」ビルより少し高い。
頭はなく、首から上の部分にはプレートが乗っている。
「バカな・・・・」
これだけ巨大な物体を作り上げるのは解る。
これだけ巨大なものを動かすこともわかる。
だが、これだけ巨大なものを維持し、そして術者の行動とリンクさせるなど、狂気の沙汰ではない。
ただ巨像を組み上げるのや、方向を決めて移動させるのとは話が違う。
いくら膨大な魔力量があったところで、こんなことは――――――
「うるせぇ。出来るもんはしょうがないだろうが」
セルトマンの驚愕に、聞こえてもいないだろうにショウはつぶやく。
そうだ。こいつはそういうやつだ。
「蒔風」という存在は、いつだって常識で推し量るとこっちが痛い目を見るような奴だった――――
ゴ――――ゥン
一歩。
ただそれだけで、十分な攻撃と言える振動を起こし、ついにその巨人が動き出した。
周囲を飛び交う化け物など気にすることもなく、「EARTH」ビルに向かってその巨椀を突き出していく。
「まさか、こいつ!!?」
右手がビルに掛かり、次いで左手が掛けられる。
掴みかかった巨人は、そのまま
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