第六章 Perfect Breaker
聖杯怪獣/岩鉄巨人
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貫き、空へと伸びていく紅き熱線。
放ち続けられる熱線は、しかしそれ以上大聖杯を破壊することはなかった。
だが、いつまでも放たれる熱線。
セルトマンは気づく。この熱線は、大聖杯を通過するときに――――
「こっちの魔力、奪いながらぶっ放してんのか!!!」
故に、このままであれば大聖杯の魔力は枯渇する。
このような巨大熱線、あと30秒も放たれ続ければ彼の目的である「王」の召喚に支障が出てくる。
「それだけは絶対に阻止だ」
「うっ・・・せぇ。このまま耐えりゃ・・・・俺の、勝ちだ―――」
苦しそうに告げるショウ。
他のメンバーは、迫りくるマジュウや魔化魍、魔物を打ち払うのに、彼等の会話や様子など気に止める余裕はない。
だが、これで終わりかと思われたその瞬間
「ッッ―――フォォォオオオオオオンッッッ!!!」
「あァいよッッ!!!」
「何ッッ!?」
セルトマンの叫びに、応えるものがいた。
ショウがその方向―――右を見ると、飛来してくるのはキャッスルドラン。
フェイト、アリシアを足場にして跳躍したフォンが、デンライナーの線路を蹴り揺らし、脱線させたのがキャッスルドランに突っ込んだのだ。
そして押し出されたキャッスルドランの上部から、バランスを崩したキバがフォンに突き落とされてもはや止めようがなくなる。
「グッッ!!?」
その光景に顔を引きつらせるショウ。
だが、その原因はキャッスルドランではなく
「ランスタァーッッ!!」
フォンが放り投げてきた、ティアナを見てのことだった。
飛行能力を持たないティアナがこんなところにいては、キャッスルドランと巨人に挟まれて圧死する未来しかない――――
巨人がティアナをキャッチしようと、滑りこむように右腕を伸ばした。
傾いた身体は熱線を吐くことをやめ、代わりに怪獣から放たれた熱線が左腕を肩から粉砕して吹き飛ばした。
「がぁッ!!」
巨人が倒れると同時、ショウが全身を殴打されたかのような衝撃に襲われて身を投げ出された。
地面に倒れるショウだが、ヨロリと立ちあがって腕を広げる。すると、そこに杏子とさやかが落下してきた。
彼女らを置いて、次にステイルとマミをキャッチ。
神裂とセイバーが着地するのを見て、駆と賢久を掴み取った。
そして横目でチラリと、巨人の右腕を見た。
その隙間から、片腕を抑えながらティアナが出てくるのを見て、フゥ、と一息を突き
「ぐ、うッ!!!」
ビキンッッと脳が痛み、その場に膝をついて頭を抱える。
制御に全力を裂いてギリギリだったうえに、あんな不意打ちをされてはフィードバックあってもおかしくはない。
大聖杯の魔力、というものがいか
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