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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
世界を超える、鉄刃の翼
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ヴァルクヴェインの治癒力があっても、この攻撃を受けて大丈夫なんてことはありえない。
だがこれが目の前の現実だ。

ならば、答えはただ一つ。

効いていないと言うよりは、気合で耐えていると言うこと。
ただの空元気と言えばそれまでだが、それだけでこの男は―――――


「喰らえ!!」

刃に一刀が襲われ、剣の雨が止んだところで高周波。
だが上空の観鈴からのそれが届くよりも早く、理樹の身体が宙を舞う。


制御しようにも、それよりも早く観鈴と理樹は衝突してしまう。
しかも、理樹が咄嗟に出していたバリアで観鈴は想像以上のダメージを負う。

対し、理樹の方も掴まれてから翼刀の不動拳を流し込まれ続けたせいでボロボロだ。

二人の身体が墜ち、地面に激突する。
が、その直前で「奴」がその身体を受け止める。


直立不動で二人の身体を掴み、抱える「奴」。
それに気づいた理樹が、驚いた顔をして礼を言う。


「た、たすか・・・・」



「え」

そこまで言って、言葉が止まる。
見上げる「奴」の顔が――――笑っていた。



「ちょ」

ガブリ

ほんの少しの声を出しただけで、理樹は喰われた。
同様に、観鈴も。

本当にそんなつまらない擬音しか出ないほど、あっさりと。
翼刀は思わず目を逸らすが、すぐに真っ直ぐ「奴」を見た。


その「奴」はというと、腹をさすりながら首を回し


「ふぁ―――――ったく、バーサーカーってのも辛いねェ」

言葉を、介した。


「奴」を知るものならば、そう驚きはしないだろう。
「奴」は世界すら喰らう怪物だ。

ならば翼人如き、喰らえぬはずがない。
そして、それをエネルギーとして取り込むことも・・・・


「さて、ようやっとくだらねぇ枠から飛び出したわけだが」

「二人喰うなよ」

「うるせぇ。テメェと組むだけで反吐が出んだよ。自殺しろ、自殺。いや、殺してやるから死ね」

「奴」の隣に、蒔風が来る。
続いて、クラウドに一刀も駆け寄り



「さぁて?俺に抑圧ってのは効かねぇぜ?モヤシ翼人共と一緒ってのは気に入らねェが、テメェこれで死んだァな!!!」

イカれた口調。
しかし、「奴」の叫ぶことはもっともだ。


こうなっては、翼刀に勝ち目はないかもしれない。
数は減ったが、余計に不利になった。


だが、翼刀には微塵の不安もなかった。



「なんだぁ?その目、気に入らねぇ」

「そりゃそうさ。こいつはきっと、あんたたちが目を逸らしてきたはずの物だからな」


それは、何か。

簡単なことだ。
無論、翼人である他三名は解っていた。

だが、それでも目を背
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