第六章 Perfect Breaker
世界を超える、鉄刃の翼
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「ほぉら・・・・」
驚愕する「奴」。
冷や汗を流しながら、苦笑する蒔風。
だが驚くべきはそこではない。
驚くべきは
「最主要!!!」
「速い―――――!!!」
既に彼等の眼前に迫っていた翼刀だろう。
簡単な話
唯子が攻撃を打ち払った後に飛び出しては、間に合わない。
ならば、唯子が打ち消すことを前提に飛び出していけばいいだけのこと。
実際、翼刀の鼻先は魔導八天の雷の、数ミリ前に迫る程接近していたのだから。
WORLD LINKがあるから、大丈夫。
唯子はきっと、この攻撃を砕くだろう。
だがそうわかっていても、実際飛び出すのは相当の勇気がいることだ。
しかし、翼刀は来た。
それは「唯子はきっとやる」ではなく
「唯子だったら・・・・絶対にやってくれるって知ってたからな!!」
「必ずやってくれる」と、微塵の疑念もなく信じていたからこそに他ならない。
「見事」
「ォォォオオオオオオ!?」
敗北を悟り、受け入れる蒔風。
後にジャンプして、逃げようとする「奴」。
目の前の蒔風に向かって、翼刀のヴァルクヴェインによる翼刃が振り下ろされる。
そして逃げ出した「奴」には、翼刀の上を飛び越してきた唯子の一撃が叩き込まれる。
翼刀の翼刃には、飛鳥のものであろう「飛翔 火の鳥」が付与されており、その炎を以って蒔風の身体を焼き尽くす。
唯子の放った気力は、幾つもの刃となって「奴」を囲む。
そうしたところで唯子の蹴りと共に、その刃全てが「奴」に叩き込まれて全身を砕いた。
そして最後に、止めとばかりに、翼刀が振り下ろした剣を振り上げて、二人の身体を同時に切り裂き背を向ける。
ブシュゥ―――と煙を上げて消滅する「奴」に
ボシュゥ―――と塵になって霧散する蒔風。
そこでWORLD LINKが切れたのか、翼刀と唯子が膝をついてその場に座り込んでしまう。
チリチリと周囲を焼いていたはずの炎は小さくなって、炎がそこにあったのが嘘だったかのように焦げ跡すら残さなかった。
「終わった・・・・」
「つ〜〜かれたねぇ・・・・」
ふぅ、と背中を預けて座る二人。
そしてコツン、と拳を軽く当てて、それから軽く笑った。
その様子を、少し上で飛鳥と赤銅が見守っている。
『どうする?』
『どうするも何も、もう本当に我らは必要ないでござろう?』
聞いた飛鳥も、最初から答えがわかっていた。
もうこれ以上自分たちは必要ないだろう。
この二人には、誰よりも強く、互いを離さぬ絆と愛と友情に結ばれ、誰よりも強い希望と
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