第六章 Perfect Breaker
世界を超える、鉄刃の翼
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「チッ!!テメェあとで殺す!!!」
向かってきた翼刀を迎え撃ち、「奴」がその殺意を翼刀へと向ける。
その戦いに唯子も加わり、しかしそれでも「奴」は押していく。
「奴」の後ろでをそれを静かに眺める蒔風は、溜息を吐いて剣を抜く。
そして、軽くぼやいた。
「無理だよ。俺たちじゃァ、あーんなすげぇのに勝てるわけないだろ?」
誰にも聞こえない声でつぶやいた。
尤も、例え大声で叫ぼうとも誰にも聞こえないだろうが。
「神剣だか裏神剣だか知らねェガァ・・・こっちだって天剣なんだよァ!!」
翼刀のヴァルクヴェインを手で受け止め、更に溢れ出す刃を握り潰す。
それもかかわらず一切の傷もなく、その鉄片を唯子に向かってばら撒く「奴」。
腕をクロスして顔を守る唯子。
その唯子に、蒔風の十五天帝が唸りを上げて叩き下ろされた。
それを横に転がって回避する唯子。
地面に食い込んだ十五天帝を抜くと、その地面はまるで耕したかのようにめくれ上がってしまっていた。
「あれか・・・・」
唯子としては、久々に見る。
十五剣一対である、十五天帝の真の姿。
全てを組み上げたのその形の、なんと禍々しいことか。
獅子天麟を元に、切っ先に風林火山を横に並べて結合。
取っ手の部分はトンファー型の天地陰陽が組みあてがい、様々な持ち方ができる。
そして獅子天麟部の刃から、結合された青龍、白虎、玄武、朱雀のそれぞれの刃が突き出していた。
対して、翼刀が相手をしている魔導八天にごてごてした装飾は何もない。
只々美しい、まっすぐな刀身の西洋剣。
それが八本。組み上がって、形はそのままに大きくなった西洋剣へと変わる。
魔導八天の剣の振りおろし―――否、すでに打ち落としと言える一撃を、翼刀がヴァルクヴェインで受けるも弾かれて地面を転がる。
蒔風が十五天帝で唯子に切りかかり、それを受けるも刃を首元に引っ掛けられて、一気に振り抜かれる。
気力を、それによる刃で全身をカバーしているとはいえ凄まじい衝撃に、くらくらとしながら翼刀の元へと飛ばされる唯子。
「ガ・・・・はぁ、はぁ・・・・」
「グゥ・・・ッ、はっはっ・・・・」
息が荒い。
肩を上下させる二人が、互いに腕を取り合って立ち上がる。
すると、その眼前に立つのは
「天剣・十五天帝」
「裏天剣・魔導八天」
己が剣の名を唱え、その全てを吐き出そうとする二人の姿が。
「我が天剣は統べせし物。七の獣を従えて、天地統治す刃とならん」
「我が裏なる天剣、十五の帝に相反し、また逆たる素質ありける刃」
「見よ!!これこそが統治の光。万物を支配する、善悪
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