第六章 Perfect Breaker
Punish Breaker 〜綺堂唯子の物語〜
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「私、なんとなく思いついてた」
相手に打ち込んだ一撃一撃。
でも、それらはとても弱い物。
だったら、それを相手の身体に打ち込んだ後、一点に集めて爆発させることができるとしたら―――?
「イメージだけで、出来るなんて思わなかった。でも、この翼がそれを可能にしてくれた。これはもう、私の技よ」
全身に打たれた打撃。
すでに効果を失っていたはずのその一撃ずつが、身体の中を這いずり回って胸の中心部へと移動する。
その数、実に二十八発。
それらすべての打撃が、意識を得たかのように一点に集まり、そしてそこで一気に破裂するのであれば―――――!!!
「これが、私の道。これからも、ここから先も!!アルティメット―――――」
「私・・・・がぁぁアアアアアアアアアア!!!」
「――――パニッシャァッッ!!!!」
ドッッ――――ンッッっ!!!
ブレイカーに向け、手首を抑え、握っていた拳を開く。
瞬間、それに呼応して胸元から破裂、バラバラに吹き飛ぶブレイカー。
残った上半身が消えゆくなか、彼女は校庭で戦う彼の姿が見えていた。
そして、チラリと唯子の方を見て、呟いた。
「負けちゃった、か。あーあ・・・・でも、ま。流石、私の憧れた――――――」
風が吹く。
魔力の粒子となって、ブレイカーが消滅する。
「・・・・・翼刀!!!」
そして、唯子は着地して飛び出していく。
向かう先は、当然彼の元。
その先では
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「グ・・・・」
翼刀がうめき声をあげる。
敵の数は四人にまで減ったものの、その相手が悪すぎる。
何せ、三人は抑圧できても最後の一人が凶悪だ。
「おいおいィ?ご自慢の力もその程度かァ?んン〜!?」
「奴」
この男に、翼刀のどのような抑圧も効きはしない。
更に言うのであれば。
サーヴァントとして召喚されたこの男を倒す術は、ただ一つの方法でしかありえないのだ。
ペッ、と
悪態をつくように、口の中で渦巻く血を吐き出す翼刀。
例え、絶望的な状況でも
到底、勝ち目のない戦いでも
全く、逆転の目が見えずとも
翼刀に焦りはなかった。
「来る・・・・か」
唯子が来る。
自分の、かけがえのないパートナーが。
ならば問題は無かろうと、翼刀はヴァルクヴェインを軽く構えた。
彼女が来れば、心が軽い。
来てくれるなら、心強い。
勝率が上がるわけではない。
光明が
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