第六章 Perfect Breaker
Punish Breaker 〜綺堂唯子の物語〜
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手刀、様々な突きの応酬が飛び交った。
そんなことになれば、この地下闘技場など持つわけがない。
ドンッッッ!
壁が吹き飛び。
ガゴッっ!!
天井が裂け
ボゴォッッ!!
床が砕ける。
一撃放つたびに、必殺技級の衝撃波が放たれているのだ。
一撃ごとに地下は振動し、揺れ、崩れる。
「ダッッ!」「ハッ!!」「フッっ!!」「ゼァッッ!!」「ダァッッ!!」「ヤぁあっっ!!」
立て続けに空間を唸らせる、二人の怒号とも取れる気合。
周囲の轟音、爆破、粉砕音の方がはるかに大きいであろうにも関わらず、彼女たちの声こそが、一番この空間で澄み切って響いている。
「「負 け る か ぁアアアアアアア!!!」」
スッッ
「「パニッシャー!!!」」
ドンッッッ!!!
同時に
全く同時に放たれる不動拳。
その一撃に、互いの身体が磁石で弾かれていくように吹っ飛んだ。
ちょうど真後ろの壁に向かって吹き飛び、そして鏡合わせの様に同じ動きで反転。
脚を壁に着け、そこに張り付いたように着地した。
無論、この場の重力は正常だ。
だた単に、互いに放った勢いで簡単に壁から落ちないだけだ。
だが、二人は壁に足を付けた状態でしゃがみ、脚に万力を込めていく。
メキメキと指先が壁にめり込み、ヒビが一秒ごとに一メートルは広がっていって
ギッッッ!!
互いが互いを睨み付けた瞬間。
ドンッッッ――――バァンッッッッ!!!
弾丸のように弾けた。
彼女たちの勢いは、その衝撃を置き去りにするほど。
足場にした壁は、ちょうど一秒後に亀裂の入った円形に砕け散り、彼女たち自身は飛び出した二メートルでいきなり空気の壁をブチ破っていた。
それから二秒とせずに二人がぶつかり合い、周囲の重力が失われた。
球状に衝撃波が周囲を弾き飛ばしていき、床を転がっていた瓦礫は浮き上がる。
そして直後、互いが互いの力を利用して、一気に砕けた天井から外へと飛び出していった。
ズドンッッッ!!という轟音と共に、その衝撃で浮き上がった瓦礫が本来の重さ以上に―――まるで重力兵器でも喰らったかのように―――床にめり込み堕ちたが、彼女達がそれを見ることはない。
「EARTH」ビルの麓から、一気に上空二十メートルまではじけ飛んだ二人は、ロケットの様に上空に舞い上がりながらも攻防を繰り広げていた。
廻し蹴りを唯子が受け、そのまま回転して手刀をブレイカーにぶち込む。
それを掴み取り、空中でありながらも捻り上げ、唯子がそれを察して手を払う。
バサバサと舞うブレイカーのマントと、風に揺れる唯子の髪が、そ
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