第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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き飛ばされた無数の刃。
クラウドはそれを見た瞬間に、第二の攻撃準備をすでに終えていたのだ。
破洸撃。
魔洸を纏わせた斬撃波を敵に向かって射出するだけの技だが、その威力は推して知るべし。
あのクラウド・ストライフが放っている時点で、並みの威力ではないことは確かだ。
それをまともに喰らった翼刀。
刃の壁など霧散し、左肩から右腰にかけて破洸撃が直撃した。
着地などできるはずもなく、足の裏が地面を擦り、背中から落ちる。
そのままゴロゴロと身体の幾数か所を強打しながら、錐揉みの様に吹き飛ぶ。
ガシャァ!!と窓ガラスを砕き、校舎内に突っ込んでいく翼刀。
それを見て、やれやれと言った感じで蒔風と一刀が校舎に向かって掌を向けた。
蒔風の周囲に浮いた球体に、一刀の手に番えられる武将の誰かの弓。
それが構えられ、一斉に翼刀の吹き飛んだ方向へと発射された。
その一点に向けられて連続射出されていく絶光弾は、そのスピードをそのままに一斉射出され、一刀の発射した矢は、その力によって無数に分裂していた。
そしてその弾幕の中を理樹が悠々と走って翼刀の元へと駆けていく。
すると、着弾点から一気に刃幕が射出されてその攻撃を弾き飛ばしていった。
それを確認して理樹が弾幕の中で跳躍し、翼刀のいるであろう場所に向かって拳を振り下ろす。
拳によりバリアを纏わせて、その形をハンマー型にして叩きおろし―――――
ガンッッッ!!!
「――――いない・・・ね」
そのハンマーは、校舎の床を砕いただけの結果に終わった。
合図を出して弾幕を止めさせ、煙が晴れて周囲を見ると、点々と続く赤い物が。
「うん・・・・今度は、回避して、ない」
廊下に続く、紅い道標。
壁にはべったり、手形がつけられている。
追うのは、容易い。
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ヒタヒタと、自分に迫ってくる足音。
それを床に当てられている耳から聞いていた唯子は、言葉にできない恐怖感に襲われた。
死ぬ
殺される
奪われる
自分が自分ではないと言う感覚。
この記憶ですらも借り物、偽物。
それを実感した時、唯子は逆流してくるモノを抑えきれず、思わず口から吐き出していた。
うまく言葉が出てこない。
真っ直ぐ前を見られない。
ただ、死にたくないという恐怖が、彼女を立ち上がらせようと心臓をせっつく。
でも―――――立ち上がるって、どうやるんだっけ?
脚の力の入れ方がわからない。
上半身ですら起き上がらない。
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