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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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下げながら振り返りざまに切り付けた。

果たして腕に剣は命中し、しかしその腕は一切傷つくことがなく。


「硬ってぇ・・・」

ジィン、と痺れる掌を強引に握力で押さえつけ、尚も相手に切りかかっていく翼刀。

だが相手―――直枝理樹のバリアに包まれた腕はその攻撃を一切無効化し、面倒くさそうに受けていく。


「無駄なんだよ。こんなこと」

「無駄かどうかは――――」

コツッ

「―――結果を見て言え!!」

ドンッッ!!!


当てられた不動拳。
衝撃を打ち込む、というこの不動拳は、理樹のバリアに対して非常に有効だ。

なぜなら、理樹の能力は異常な硬度のバリアの生成と操作。
厄介な能力だが、それを突破するすべがあれば、理樹自身の耐久力はたかが知れているのだから。


「げっ、ハァッ!?」

「結論を急ぐからだっての――――ウぉッ!!」


吹き飛んだ理樹の身体に追い打ちをかけようとする翼刀だが、その進行をクラウドが立ちふさがって押し留める。


理樹に向かって進んだはずの翼刀は、その距離をだんだんと押し込まれて後退する。
上段振り降ろしを受け、そこからの振り上げ、突き、回転からの蹴りを捌いて―――


その一つ一つの動作のたびに、翼刀の足は後退を余儀なくされていく。


「グッ、この・・・」

「フッ!!」

しかし、防御には成功している。
それを見て痺れを切らしたのか、クラウドの目に蒼が灯る。

魔洸の光

その碧いエネルギーが全身から迸り、クラウドの剣に纏わされていく。
そして放たれる一撃に、ついに翼刀の腕が跳ね上げられて

「しま」

「凶――――斬り!!!」

「ヴァルクヴェイン、刃放出!!!」


クラウドから放たれた凶斬り。
跳ね上げられた腕では、もはや引き戻して防御は不可能。


故に、翼刀はヴァルクヴェインの刃を垂れ流しにさせた。

射出ではなく、放出。
ヴァルクヴェインから流れ出た刃は、ザラザラと勢いよくぶちまけられ、翼刀の前に一定の壁を作り出すことに成功していた。

その放出数は、クラウドの凶斬りが到達するまでに500を超える。
だが悲しいかな。


ただ並べられただけの刃で、クラウドの凶斬りが抑えられるはずなどなく。



三段階の強剣撃。
その圧倒的破壊力は、空間に「凶」の一文字を刻み付けるほどに強烈だ。



直撃は避けながらも、無数の刃ごと吹き飛ばされていく翼刀。
全身を鈍い痛みが襲い、それでも何とか距離をとれたと体勢を整えようとし



「破洸、撃!!」

それが甘かったことを痛感させた。


「ごッ―――――ぉ!!!」

翼刀と共に吹
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