第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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の身体が吹き飛ぶ。
肩口が胸元にグポリとめり込み、それが抜けていく。
胸元に食らった衝撃は、一気に血管を通って全身へ。
唯子の身体が訓練場の暗闇を跳び、そして壁に激突するまでの時間があれば、全身傷だらけにするには十分な時間だった。
「ガハッッ!!!」
背中から叩きつけられ、ずるりと落ちる唯子。
膝は曲がり、崩して座っているような体勢に。
だがそこから上半身が落ち、床に右から倒れてしまった。
「う・・・ぐ・・・ぅ・・・・」
もし、二人の力量が全く互角だと言うのであれば、勝敗を分けるのは精神面だ。
ならば、動揺している唯子に、勝ち目などどうあがいても存在しなかったのである。
ゆっくりとこちらへと、向かってくる足音が。
ヒタヒタとした素足の音は、まさしく不気味な死の足音だと思った。
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爆心地の地面が、ドロドロと溶け始めている。
大きく陥没したその穴の淵で蒔風が足を止め、うんざりした顔でその中心を見る。
「十五天帝取りに行けねぇ。なんで事してくれたんだ」
覗き込む穴は、そう深いものではない。
だがゴポゴポと音を立てるマグマのような地面は、まるで地獄の窯を開いたよう。
他の四人はというと、翼刀を撃破したその地点で立ち止まっていた。
まるで、マスターからの命令を待っているかのように。
「あの男は死んだのか?」
「知らないよ・・・ほっといたってみんな死ぬんだし」
クラウドの、彼とも思えない口調の言葉に、理樹がボソボソと返答する。
その様子を一刀が腕を組んで眺め、観鈴はウロウロと徘徊していた。
マグマの中を眺めていた蒔風は、直接回収は不可能としていったんそれらを消してから再召喚することで手元に戻すことにした。
そこでふと、背後の四人を振り返ってみる。
瞬間
「ランサァッ!!!」
「わかってる」
ギィッッ!!!
一刀の背後に突如として出現した刃。
それをバルディッシュによって受け止め、チラリと振り返る一刀。
「クソッ!!」
「やっぱ生きてたか」
世界の外へといったん避難し、そして再び入ってきた翼刀が、一刀の背後に現れて一太刀浴びせようとしていたのだ。
ガキィ!とお互いの剣を弾き合い、翼刀が跳ねて後退する。
そして翼刀のバックステップの着地と同時に、一刀がトライデントスマッシャーを撃ち放った。
三又の砲撃魔法を、電火を纏わせた刃で方向を逸らして直撃を避ける翼刀。
直後、その背後から伸びてきた腕を察知し、頭を
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