第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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腕がない?目が潰れてる?関係ないわ。そんなのなんのハンデでもないし、そうだとしても、それこそ聖杯を手に入れればいい。それに・・・・」
「だ・・・黙れって言ってんでしょ!!!」
ブォッ!!と、ブレイカーに蹴りを放ってその口を閉ざそうとする唯子。
だがそれは軽く回避され、その口はなおも動き続ける。
「あなたも聞いてたんでしょ?実験が終わったとき、あなたの体はボロボロだったって」
「うるさいうるさい・・・・私が唯子だ!!綺堂唯子は私だ!!」
「その状態は、腕もなく、片目も潰れ、それでも生きていた―――――」
「黙れ!!!」
「私はその時の唯子。あなたは、私の細胞をもとに作られ、記憶を移し替えられた別の唯子。そうでしょ?」
唯子の言葉が止まる。
同時に、その攻撃も止まった。
だが動きは止まれども、呼吸は荒くなっていく。
「流石の機関も、ボロボロになった私を再生することは難しかった。でも、元に戻すと約束した以上、彼等のプライドが不備を許さない」
だったら、新しいのを作るしかない。
彼女の記憶を取りだして、植えつけた、新しい身体。
そうして「綺堂唯子」は生き延びた。
だが、そのとき死にかけていた彼女は、確かに死んでしまっていることに変わりない。
綺堂唯子
それが、この少女の存在の在り方。
つまり
「さあ。そこをどきなさい。そこはもともと私の場所。代わりはさっさといなくなれ」
「わ、私・・・は・・・・・」
「どうだと言うの?何だと言うの?今までいたのは私だから?それも、元は私の物。あなたの今にある物は、ひとつ残らず私の物よ。私の物に、なるはずの物よ。だから、返して」
「私は・・・・」
「返して」
「で、でも」
「返して」
「これは私の」
「返してよ!!!」
襲いくる亡霊。
その攻撃を回避し、しかし唯子に攻撃することなどできなかった。
「わ、私は私よ!!そうよ・・・・あんたがオリジナルである保障なんてないわ!!私がオリジナルで、あんたがクローンかもしれないじゃない!!」
「そう。それも一理あるわ。でも、そんなことはどうでもいいわ」
そう。
この際、どっちがオリジナルかどうかなど問題ではない。
そんなことは、自分の中でどう思っているかだし、確かめる術はないのだから。
「最初から言ってるでしょ。生き残ったのが、今の綺堂唯子。だったら、この戦いも――――生き残った方が、そうなればいい!!!」
どっちがオリジナルか、クローンかは関係ない。
どちらも自分がオリジナルで、相手がクローンだと。そう言い張っているのだからキリがな
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