第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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。
何がどうであれ、これまで自分が経験してきたことは、間違いなく自分の物だ。
自分はクローンかもしれない。
いや、その可能性の方が高いだろう。
だがどちらが、などというのは本当に問題ではないのだ。
「私は、今までの戦いを」
身体が痛んだ。
「今までの、涙を」
胸が痛んだ。
「今までの、後悔を」
記憶が圧し掛かる。
「今までの、怒りを」
脳が破裂する。
「そして、今までの幸せを、諦められない」
全てが大切になった、あの瞬間を。
「一体どれだけのことがあったとしても、この道を歩いてきたのはこの私だ!!本来だとか元はだとか、そんなことじゃ諦められないことが、いっぱいあるんだ!!捨てたいことだってある、忘れたいことだってある。手放したくないことも、失くしたくないものも!!そのひとつ残らずが私の物だ。確かに、私がここにいるのは運かもしれない。本当は貴女がここにいるべきだったのかもしれない。でも、それを言うのなら私にだってその権利はある。私自身が歩いてきたんだから、それを奪わせるなんてことは絶対にできない!!!」
「・・・よく言ったわ」
唯子の叫び。
それは、ブレイカーを決心させるに十分すぎるものだった。
「あなたの分は、他でもないあなたが抱えて逝きなさい。私は、この先をここから歩む」
「そうね。でも、ここから先を行くのは私よ。私の道は、絶対に譲らない」
覚悟が宿る。
信念が立つ。
誇りが輝く。
これまでの、そして、これからの。
全てを賭けた、綺堂唯子の戦いが始まる。
『よく言うた』
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「おいおい・・・嘘だろ」
教室から顔をのぞかせ、窓から校庭を覗き見していた翼刀が冷や汗を垂らす。
校庭にいる人間は、五人だった。
今では、六人になっている。
六人目。
間違いなくサーヴァント。
翼刀は、そいつを知っている。顔を合わせたこともある。
だが、会ったことはあっても初対面だ。
その男は
「全身が影に覆われていて・・・・」
その男は
「顔が隠れるようにうすぼんやりと見えていて」
その男は
「自分も世界も失って彷徨う怪物」
その男は
「世界を喰らう・・・か」
《VOOOOOooooooooooooooooooooooooooRAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!》
大気が咆哮し
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