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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
不撓不屈
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た存在だし、そうあるべきと固定された者たちだ。

ならば


自分が出来ることはただ一つ。


「俺の全てを以って・・・あの人たちを、倒す」

すでに迷いはない。
ダメージは気になるが、気が付くと痛みも引いている。

これなら何とか戦えそうだ。



そう。彼等に勝ち

そして、彼等に並び

更に、彼等を救う。


なんだかんだあったが、結局のところこれは試練だった。
アサシン・蒔風と最初に戦っていた時と、対して目的は変わらなかった。


「不動より始まる・・・・か。唯子、俺たち、がんばろうぜ」

そう、共に歩む彼女のことを想い
自分よりも遥かに強い彼女に勇気づけられ


そして、彼も次に進むために飛び出していく。


『それでこそだ』



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「本当は私の物よ。あなたの友達も、あなたの技も、あなたの心も、そして、翼刀も」

ギチリ、と
これ以上込める必要のない握力が、より一層込められていく。


「なんで?なんで私なの?あなたと私が同じなら、なんで私だけみんなと一緒にいられないのよ!!」

慟哭。
何に対する叫びとか、そう言ったものではない。

これは世界に対する恨み言。


特に、理由などないのだ。
特別理由もないのに、こうしてハズレを引く人間が生まれる。


そこから這いあがるかどうかが、と誰かは言う。
だが、這い上がるチャンスすら失った少女がいた。

それを跳ねのけてこそだ、と誰かは言う。
だが、跳ね除けた結果身体を損耗し失った少女がいた。

それをどう受け止めるかで変わる、と誰かは言う。
だが、どう受け止めようにも絶望以外にありはしない。

次にいいことがあるさ、と誰かは言う。
しかし、彼女に次はない。


だから叫ぶのだ。

誰に届くわけでもない。
誰に言っても仕様のない。
誰に知ってもらおうとかじゃない。

ただどうしようもなく吐き出し、呪い、恨み、妬み、憎む。


どこをどう取り繕ったところで、人間はその本質から逃れられない。
人間にはそう言ったどうしようもないところが存在する。

そして世界にも―――――そういった、どうしようもない不条理が存在するのだ。



「やだ・・・こんなの・・・私は・・・・」

最早、口しか動かない。
涙を流しながら、「自分」が消えていくのを嘆きながら、唯子は泣く。


「そんなの、私だって同じだったわ」

だが、そうだ。
この少女もまた、そんなことはすでに経験している。

「最初は私だっ
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