第六章 Perfect Breaker
五翼 凶襲
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。
そう思った。力だけではなく、その生き方に。
だから、越えなければならないと思った。
純粋に、自分の力でこの男を倒さねばならないと思った。
「アンタは違う・・・らしいな」
「なに?」
「聞いたことがあるんだ。舜さんは心に蓋をしていたってな」
そう。
このころの蒔風は、まだ心に蓋をしていた頃の彼だ。
それは彼の理想像であり、そして死を恐れぬ破綻者だった。
それはいい。
そうだからと言って、それを否定する気は翼刀にはない。
彼が言いたいのは
「その時の舜さんは「悪であれ」と自分に言い聞かせた姿なんだろ?」
「む・・・・」
そうだ。この姿は蒔風が「悪」を構築し、蓋に張り付けた疑似人格に近い。
目的のためなら手段を選ばず。どんなことをしてでも達成する覚悟の上に作られたものだ。
ならば、答えは簡単だ。
「あの人は「悪」と戦ってきた。だったら、俺は舜さんが「悪」だと考えたあんたを倒すことで、それを越えたいと思う」
あの蒔風舜が悪だと思うその理想像がいるのなら。
それを倒すことが、彼と同じ道に立つ方法だと思ったのだ。
だから、この男は実力で倒したかった。
抑圧をかけて、簡単に勝なんてことはしたくなかったのだ。
「そうか・・・・・ん?」
それに納得し、そして蒔風の視線が揺れる。
どうやら脳内で何か話をしているらしい。そしてそれが終わり、にやりと笑って言う。
「了解、ますたぁー」
気の抜けた、まったく敬意の感じられない返答だが、その顔は険しい。
「鉄。今しがた令呪によって、俺さんたちに聖杯を破壊することを禁ずることが命じられた」
いよいよ正念場か、もしくはアーカイヴ通りか。
セルトマンが、ついに大聖杯へのサーヴァントの反逆を禁じた。
無論、そんな令呪では束縛力が弱まり、行動を禁じることはできまい。
だがその令呪の力でペナルティーを与えることぐらいはできる。そしてそのペナルティーは、大聖杯が破壊できなくなってしまうほどの物だった。
「しかも、貴様と戦う気がどんどん膨れていく。これはまずい。非常にまずい」
「は・・・なんだ。今までと変わらないじゃんかよ」
蒔風の言葉に汗を流す翼刀。
だが冷静に考えればそうだ。いままでだって彼は手を抜いていたわけではないし、戦えていた以上問題はない。
しかし
「いいや、まずいね。俺だったら即座に抑圧をかける」
「・・・・は?」
「いいか、鉄。昔の俺はそりゃ、やりたくないことはしなかった。だけどな、「奴」に勝つためなら出来る範囲で何でもしていた」
「どういう」
「信念も誇りも覚悟も重要だ。ま、俺に
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