第六章 Perfect Breaker
五翼 凶襲
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振り下ろされていたハンマーの面に正面からぶつかり、決して軽いはずのないその一撃を押し返していたのだ。
しかし、ショウはそちらを見ていない。
「コイ・・・ツ。壊れな・・・い!?」
バーサーカーでない故に多少理性が残っているのか。両腕ごとハンマーが跳ね上げられながらも、似非ヴィータが目の前の状況に驚く。
いくら跳ね上げるだけの胆力がこの男にあっても、爆発の効果は絶対に発動するはずだ。
だが、この男の拳は煙を上げるだけで吹き飛ばない。
ということはだ。
単純にこの男の一撃が、爆発が発生した瞬間にそれを打ち消し、それどころかこちらに叩き返してきたことに他ならないと言うこと。
だが、それだけのことをしていながら――――――
ショウは、そちらを見ていない。
「シィッッ!!!」
左肘、右アッパーのその体勢から、一気に体重を右足に戻して左足の後ろ蹴りで似非ヴィータの脇腹を踵で蹴り抜く。
彼女の腕は、ハンマーに引っ張られる形で跳ね上がっているのだ。それはまともに入り、彼女のバリアジャケットを砕き、アバラを二本ほど砕いた。
そのまま回転し、脚をおろし、突き出した右手は似非シグナムの顔面を真正面から鷲掴みにする。
「リィンフォース!!」
だが、それでもショウは彼女たちの方を見ない。
見ないままにアイアンクローで似非シグナムの身体を持ち上げ、リィンフォースの方へと放物線を描いて放り投げた。
対し、空中で体勢を整えながらも、何とか反撃に出ようとする似非シグナム。
だが彼女の身体を、四方から伸びるチェーンとロックのバインド魔法が封殺していってしまった。
身動きの取れない似非シグナム。
流石に固定化されたバインド魔法は集束するより砕いた方が早いのか。ビキビキと音を立ててそれらを強引に破壊しようとするあたり、流石と言わざるを得ない。
だが、それでもなおショウはそちらを見ない。
ゆっくりと歩を進めながら、斜め上に手を向けて波動砲を撃っていく。
一撃の威力は高くないものの、連射されてはダメージは甚大。
しかも、撃たれていく似非ヴィータはお手玉のように次々と弾かれてはその場から移動させられている。
それも、見ない。
そうしていくと、次第に二つの点が重なる。
バチバチと撃たれながら突き動かされていく似非ヴィータと、もう間もなくバインドから脱却できる似非シグナムの二点が。
「お前らヴォルケンリッターは、その身の誇りと信念を砕いて尚、主のために汚名という泥を被りながら、誰にも頼れぬ戦いを繰り広げた騎士たちだ」
決して彼等の方を見ようとしないショウだが、その言葉は確実に彼等に向けての物。
「シグ
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