第六章 Perfect Breaker
勇猛の戦士
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うと、そう言いきっていいものか判断に困る。
なにせ咄嗟にとりだしてガードに使った剣が、打ち上げられただけでなくそのまま刃のワイヤーがのばされてしまったのだから。
本来、この剣がそんなことになるなんてことはありえない。
自分の意志で伸び、意のままに形態を変化できる。
それがこの件の強みだ。そんな外部からの干渉で勝手にワイヤーが伸びてしまうなど、欠陥品もいいところだ。
だが、それが現実に目の前で起こっているのだからどうしようもない。
ただ、この男のこの一撃はすでに、その常識の範疇を越えた一撃に達したと言うこと。
「くっ!?」
ザラザラと流れて行ってしまう連結刃を、強引に引いて戻す。
だがその時にはショウの第二撃が迫っており、それを受けるとまた伸びる。
ショウの二撃に引き戻しが間に合うと言うのも驚異的だが、もはやそんな賛辞は意味を持たない。
ただ「斬られて果てる」というその瞬間を、引きのばしているだけにすぎないのだから。
これのやり取りは終わらない。
似非シグナムはそう悟っていた。
いつまでも終わらないいたちごっこだ。
ならば、このまま斬られて死ぬのもまた一興か。
次々に押し込まれ、後退していく似非シグナム。
と、そこで踵が何かに当たった。
そこにいたのは
「なに?」
「あ?」
膝を抱えて座っていた少女。
例に倣えば、似非ヴィータというべき少女だ。
ボーっとしていて眺めていたからか、そのまま近づいてきても気にも留めず、結局当たってしまったと言うことだ。
「お前、って!!」
と、そこで踵を取られた似非シグナムが背中から転ぶ。
すると当然、その先にいるショウの姿が少女の瞳に映り込むことになる。
瞬間、彼女の全身がビクンと振るえた。
脳内に反響する命令。
曰く「わざと負けるなどを含めての「自殺」を禁ず」
曰く「戦いに手を抜くな」
曰く「敵は倒せ」
一つの令呪に込められた様々な意図。
それが彼女の神経を伝達し、それを実行しようと彼女のデバイスに手が伸びた。
「ぶっ・・・・・・」
「え」
「―――――壊す!!!」
ドォンッッッ!!!
起こる爆発と衝撃。
ハンマーの槌部分が電柱ほどの太さの大きさへと膨張し、その一撃がショウへと叩き込まれる。
ヴィータがもつデバイス「グラーフアイゼン」では、その反対側にブースターが展開されて突進力を上げての粉砕をお見舞いする。
しかし、このデバイスでは違う。
ブースターはない。その扱いに用いられるパワーは、あくまでも彼女自身の物。
ただ
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