第六章 Perfect Breaker
勇猛の戦士
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中で、彼女はついにその一手に届いたのだ。
更に、相手が唖然としているうちに、その腹部へと掌底を。
そして彼女の知る中で、最も強力な砲撃魔法の一撃を放つ。
「ハッッ!!!」
ドンッッッ!!
ディバインバスター。
これほどの砲撃魔法を、これほどの至近距離で受けては、流石に腹に穴が開き消滅だろう。
彼女の上半身が煙の向こうに消える。
キラキラと光り、粒子が霧散する。
それはきっと、サーヴァントが消滅する際の魔力粒子。
そして、それが風に乗って散――――
「はっはァッ!!」
―――って、行かない。
それどころか、彼女の身体は健在だ。
砲撃は、彼女に届いてすらいなかったのだ。
空いた似非シグナムの右手。
そこに、その粒子は集まっていた。
この宙に散る魔力粒子は、この右手に集まっていく流れによるもの。
「まさか、集束魔法・・・・!!!」
そう。
シグナムにはない、彼女が持つ能力。
しかし、その精度が化け物じみている。
よく知られる高町なのはの集束魔法は、魔法使用時に散ってしまい、空間に漂う余剰魔力をかき集めて、自分の魔力に上乗せして放つものだ。
だが、この女はその上を行く。
この女は放たれた砲撃魔法が、あの至近距離であるにもかかわらず自分に届く前に分解し、収束し、その右手に刃の形で結集させていたのだ。
「な・・・・」
「あんたさぁ・・・言ったよなぁ・・・・やるならよォ・・・・ボコってないで、ズタズタに切り刻んでくれってよォォォオオオ!!!」
無防備なリィンフォースの肩に、集束されてできた魔力刃が食い込む。
この魔法において作られた刃は、そう大きなものではない。
だがその代わり、集束された魔力は、切れ味を極限にまで高められている。
リィンフォースもバリアジャケットと同質のプロテクターを身体に張っているが、そんなものはチェーンソーの前にベニヤ板を置いたようなものだ。
いとも簡単に魔力壁を越え、刃が身体に到達。
それが肉を断ち、血がその隙間から出始め
ガンッ!!!という音と共に、刃が肩から外れて似非シグナムの腕が跳ね上がった。
そして唖然とするリィンフォースが何が起きたのかと振り返るよりも早く、顔の横を通って蹴りが繰り出され、似非シグナムの顔面にめり込んで彼女の身体を転げさせた。
「な・・・」
「おう。大丈夫か?」
振り返ると、そこにいたのはショウだった。
少し息苦しそうで、服もボロボロ、所々血が流れているが、五体満足でそこに蒔風ショウが立っていた。
血が流れていると言っても、どうやら軽傷のようだ。だがそれ
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