第六章 Perfect Breaker
勇猛の戦士
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だから大人しく死を選び、あの場で倒れていたのだ。
誰かを求める心。
見栄を張りながら、年相応な甘えたがり。
そして破壊の才能は、幾分か柔らかくされていながらも、正確に受け継がれていた、ということだ。
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似非シグナムと、リィンフォースの戦い。
主であるはやても、同胞であるシグナム、ヴィータも倒れ、シャマル、ザフィーラは「EARTH」(仮)での仕事で動けない。
ならば、この者たちを叩くのは自分の役目だ。
そう思って駆けつけ、いざその一角と戦い始めたわけだが―――――
「あぁん!!女同士ってのもいいねぇ!!あんた、そっちの人だったのかい!?」
「五月蠅いです!!」
ゴォッッ!!
魔力の込められたリィンフォースの拳が、似非シグナムを狙って虚しく空を切る。
ステップを踏んで下がり、そのまま連結刃を放ってくる似非シグナム。
だが飛来するその刃全てにブラッディ・ダガーを撃ち放って弾き飛ばしていくリィンフォース。
爆発が起き、その向こうから似非シグナムが剣を構えて突っ込んできた。
その刃を体捌きで回避し、腹部に一発拳をブチ当てる。
ゲはァッ!と息を吐き出し、しかし怯むことも後退することもなく、そのまま覆いかぶさるように襲い掛かる似非シグナム。
その剣の一撃が肩に掠り、痛みに顔をしかめるリィンフォース。
その表情に興奮し、似非シグナムの剣撃がさらにヒートアップしていく。
先ほどまでは回避できていた剣撃が、次第に掠り始めていく。
だんだんと深く。
だんだんと広く。
だんだんと長く。
傷口が増える度に、大きくなっていく。
――――強い。
ヴォルケンリッターの元になったという人格。その人物。
その一人しか相手にしていないと言うのに、こっちの攻撃が斬り伏せられてしまう。
ゴリ押しでの封じ込みではなく、純粋な戦力で封じられているのだ。
粗暴さに相反して、この女の純戦闘力はやはり高い。
だが、そのなかでリィンフォースの瞳は全く怯んでいなかった。
身体に傷をつけられながら、散る鮮血の中でその瞳は敵を見据える。
その、まったく閉じられることなくしっかり開かれた眼で相手の動きの総てを見
ガッッ!!
「お?」
大きく振りかぶり、左から襲い掛かる剣。
その剣を握る似非シグナムの右手首の部分を、左手で止めた。
狙っていたのは、この一瞬。
この一瞬為に、斬られることを覚悟で彼女の間合いの中にいた。
前へ、前へ。
恐れず突き進んだ
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