第六章 Perfect Breaker
狂気の笑い声
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彼女はそれを軽く蹴り上げ、ショウの目の前にフワリと浮かせる。
咄嗟にショウは魔導八天を眼前に防御のために出した。
とはいえ束ねることなどする暇はなく、八本バラバラで目の前に放っただけのような形だ。
そして、似非シグナムは柄を引いた。
仮に、あなたが掃除機のコードをしまうとしよう。
きっとあなたは、掃除機のボタンを押して巻き取られるコードを想像するだろう。
これはそれだ。
だたその勢いは掃除機の比ではないし、ワイヤーも絡まらず、更に刃が取り付けられているとすれば
ガッチュゥンッッッ!!
その丸まったかのような連結刃が、ビチビチと跳ねながら目の前で踊った。
「グォッ!?」
ニィッ、と決していい目つきではない顔で笑いながら引くシグナムと、目の前で弾ける火花に眩みながら後ろに飛ばされるショウ。
魔導八天の七本は四方に飛び、残るはショウの手に握られた一本のみ。
そして後ろに飛ばされたとはいえ、その距離は二、三メートルがせいぜい。
更に、この攻撃で似非シグナムは柄を引いている。つまりこれは「今の攻撃」と「その次の攻撃の準備」を同時に行えると言うことで――――
「斬ったァ!!」
先ほどとは立場が逆だ。
今度は似非シグナムが叫んで剣を振る。
だが、逆だと言うならショウにも逆転の手はあると言うこと。
「集まれ!!」
剣を構え、振ることなく叫ぶ。
ショウが手にするこの剣は、魔導八天を一つにまとめる際にその中心となる剣だ。
つまりそれには、十五天帝の天馬の様に、他の剣を引き寄せる力があり
「串刺しだ!!」
弾けた七剣が、一斉に似非シグナムの方へと
「いやだぁ」
突っ込み、刺さらなかった。
「な・・・・・」
展開された連結刃は、再びドーム状に広げられた。
そして彼女の正面は当然、上部、後部から飛来する剣七つの全てを絡め取り、空中でそれを止めてしまったのだ。
「そんなに太くてぶっといので刺したいのならァ・・・自分の手でじゃないとダメだろぉ!?」
「ギッ!?」
目の前の光景に驚いている隙に、首に手が伸びて締め上げられていく。
そして足がぶらりと浮き、似非シグナムによってショウの身体が持ち上げられた。
「ガ・・・・くっ」
「はぁ、いい。あんまり斬られなかったけど、ここから楽しめるよなぁ?これからこのままあんたを斬って、あんたは抵抗してあたしを斬る。斬って、斬られて、ズタズタのボロボロになって、互いの液体混ぜ合わせてその中でぶっ倒れよう・・・・?」
ショウは空いた片腕でその片腕を外そうともがくが、揺れるだけで外れはしない。
それどころかこの女、ショウの
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