第六章 Perfect Breaker
奇怪接敵
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今までのあらすじ
決着する赤銅と飛鳥の戦い。
両者共に虚空へと消え、嵐は初めから無かったかのように霧散する。
だが、その間にも戦いは続く。
今後、召喚予定サーヴァントは五騎。
現存のサーヴァントは六騎。
かつての悪、過去の蒔風と戦う翼刀。
そして綺堂唯子の前にも、新たな敵が現れた。
残る四騎は、標的をショウに定めて出陣する。
そのころ、その当の本人はというと――――――
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ぶくぶくと、気泡が上がって水面に波紋を映し出す。
見ていると、死体のようなものがゆっくりと川の底から上がってくる。
「ゴ・・・ブぁ!!ゼェッ、ゼェッ――――アァ〜、空気がうめぇ・・・」
当然、それは死体ではない。
死体のように力なく俯せに浮き上がってきたそいつは、息苦しかったのかバチャバチャと暴れて仰向けになる。
そして何とか岸に上がり、また仰向けに倒れて目いっぱい酸素を補給する。
浮き上がってきた男――――蒔風ショウは、荒い息をしてはいるもののダメージからというよりは単純に身体が酸素を欲してのことだ。
あの時。
膨大な力に向かって行ったショウは、あのブラックホールを斬り伏せた。
ショウほどの者なら、擬似的なブラックホールは切り伏せられる。
単純な力ではなく、相性の問題だ。
世界一つ飲み込み、その身に宿した男の力を、世界をひっくり返すほどの渡航力に変換して斬りつけたのだ。
時空の歪みはそれで正され、ブラックホールも消え去った。
ただ、その反動で彼は「EARTH」の近くを流れる川にまで吹っ飛ばされ、そこに沈んでいた、というわけだ。
岸に上がってから腰を落とし、「EARTH」ビルを見るショウ。
ここからだと、ビルの左側面がよく見える。
吹っ飛んできた、とはいえ岸から「EARTH」敷地を囲う柵までは二百メートルもない。
水に濡れた服を、そこら辺の店からかっぱらった別の物と取り換えて、ベシャリと捨てる。
従業員も住人もみな避難していないので、「後で支払いに来ます 「EARTH」」と書置きをしてその場を去る。
そうして柵へとたどり着いた。
素っ飛んだ時のように飛び越えて中に入ろうかと思っていたショウは、そこで唖然として口を開いた。
「あー・・・飛び越えたんじゃないのか」
歪んで穴の開いた鉄柵をみて唖然としていた。
どうやら自分でもぶつかって気付かなかったほどの勢いでブチ抜いていたらしい。
そこをくぐって敷地内に入るショウ。
膝の高さほどの草木がある中
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