第六章 Perfect Breaker
奇怪接敵
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自分の邪魔をしないのであれば、いい。
大聖杯の破壊に伴う大災害の被害で皆が死ぬかもしれないのは仕方がないが――――――
「じょーだん。テメェが吹っ飛べ」
「なに!?」
ゴッッ、と鈍い音がして、蒔風の身体が後ろから蹴り飛ばされた。
そこにいたのは、間違いなく鉄翼刀。
あの瞬間、翼刀はヴァルクヴェインの刃を展開して床を削り、寝そべるだけの穴を作ったのだ。
砲撃の瞬間に壁は崩壊したので、ロープが緩んでからそれが襲い掛かる一瞬のうちに倒れ込んでそこに俯せに入る。
背中側に刃を敷いてガードし、更にそこに電気を帯びさせることで見事に翼刀は雷旺砲のダメージを軽減することに成功していたのである。
そして蒔風の背後に回り蹴り飛ばし、さらにそこに向かって刃幕を叩き込む!!
「ザァッ!!」
「ッ!?」
開翼し、翼で自らを守る蒔風だが相性が悪い。
すでに翼刀の準備はできていて、その刃一つ一つにはある力が込められている。
そう、それこそが彼の会得した、翼人抑制能力―――――!!!
「ガァッ!!!?」
いくらガードしようとも、そんなものが襲い掛かっては蒔風も防ぎきれない。
翼で上半身を覆うも、その翼はいとも簡単に貫かれ、肩と右足に刃が突き刺さる。
そのまま地面に落下し、強かに背中を打つ蒔風。
地上三階の高さから落下したところで翼人には大したダメージはならない。
だが今はその力を、完全にではないとはいえ抑制されているのだ。元の肉体が“No name”である蒔風にはかなり有効打である。
苦しそうにする蒔風。
その蒔風に向かって、翼刀も飛び降りて下段突きでその顔面を狙う。
それを見て、苦しむ身体に鞭打って蒔風が拳を受け止めた。
蒔風の頭部に跨る形で着地した翼刀は、しかし止められた拳を悔しがるわけでもなく笑った。
「喰らえ!!!」
ズンッッ!!
止められた拳からの攻撃は、彼にとってみれば十八番だ。
蒔風の顔面は自分の手の甲越しにぶん殴られ、地面に陥没する。
だがそんな状態であっても、蒔風は反撃する。
頭部が地面に埋まるのならばと、逆に跳ねあがった脚をそのまま勢いを乗せて振り上げたのだ。
当然、それは翼刀の背中に命中し、彼を前のめりに倒れさせる。
セルトマンからの魔力提供で顔面の傷を多少なりとも癒やした蒔風が、即座にその翼刀の首を落そうと右手刀を振るう。
だがそれを見もせずに翼刀は上げた手でそれを止めた。
そしてそのままで放った後ろ肘打ちで蒔風の鳩尾を打ち、正面に向き直ってさらにボディブローを一撃。
殴られながらも蒔風は反撃するも、翼刀はそれの防御をとるとともに、一方の手で
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