第六章 Perfect Breaker
奇怪接敵
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いないのだから。
先ほどの喉の白羽取りも、もう何度もそこを狙われていたからという、勘に頼った動きでしかない。
よく見ると、翼刀の喉元は致命的ではないものの傷がチラホラと刻まれている。
嫌というほど向けられてきた刃は、何度かすでに翼刀のそこを狙って来ていた。そして何が恐ろしいかというと、そこ以外への攻撃があまりないと言うことだ。
(勘と行き当たりばったりばっかで凌ぎきれる相手じゃない!!しかも全部の攻撃が喉を狙うものか、その為の布石でしかないし!!)
まさしく、アサシン。
階段を転がり落ち、折り返しで跳ねて飛び、階段をすっ飛ばして二階へと降り立つ翼刀。
振り返り―――そうになって、即座にその場に伏せた。
頭のあった部分を、円盤状に組み上げられた龍虎雀武が音もなく通過していったからだ。
だがそれがどこに飛んで行ったかなど確認している暇はない。
不動拳の反動を使った全速力の匍匐前進で階段前のホールを脱して、教室に挟まれた廊下へ。
転がり込んだそこで、すぐに翼刀は机や椅子を蹴り飛ばしてバリケードにし、侵入を防ごうとする。
(こんなの微塵も意味無いけど、やらないよかマシだ!!)
翼刀には、一応ながら蒔風に勝算があった。
だがこうも相手が見えず、防戦一方では整う物も整わない。
「フゥ・・・・・」
翼刀が周囲を警戒しながらも、精神を統一させて渡航力を上げてく。
しかし、その途中で何かが割れて教室へと二つのものが投げ込まれた。
「!?」
投げ込まれたのは、窓から。
とはいっても外に面した方からではなく、廊下側の壁の、天井近くにある小さなガラスを破ってだ。
フローリングの床を転がってきたのは、アルコールランプ二つ。前後にある出入り扉の上から投げ込まれた。
それを投げ込んできたのは、間違いなく蒔風。
それを見て、翼刀がギョッとする。
当然、そんなものに火がつけられていないわけがなく
「うそッ!?」
ボゥッ!!!
ぶちまけられたアルコールにも火が回り、教室の前後が炎に包まれる。
焼き殺す気かよ!?と、翼刀が窓を破って外に出ようとそちらに駆けた。
だが、ゾッとする殺気を感じて即座にストップをかける。
直後、どういう軌道で投げてきたのか、アルコールランプが入ってきた小窓から白虎釵が投げ込まれてきた。
背後から迫り、左右の上からX字で襲い掛かってきたそれは、咄嗟に止まった翼刀の顎をうっすらと切る。
回避した翼刀は、それでも体勢を崩さず喉をガードするように拳を構えた。
だが、その身体が即座に束縛され――――
「なに!?」
白虎釵は、その形ゆえに空中できれいにクロスし
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