第六章 Perfect Breaker
赤銅 対 飛鳥
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わってしまっていた」
「うん。だから」
「うん?」
「始めよう?まだ“これから”があるでござるよ」
「・・・・ああ。そうだね」
抱き合う二人は空に消える。
あるかどうかも分からない。否、まず無いであろうそんな妄想とも取れる希望を口にして、二人はゆっくりと、この世界から消えていく。
ただ、その前に
「受け取れ!!」
「この世界を担う、若者たちよ!!」
彼等の力の片鱗が、風に乗って飛んで行った。
風が一吹き。
それだけで、二人は跡形もなく消える。
空を覆っていた炎も、降り注いでいた隕石も、総てが夢幻と消え去った。
ここに一つの戦いが集結する。
二人はついに、共に眠る夢を果たした。
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クウガに殴られた後、綺堂唯子は立ちあがれるようになるまで時間を有した。
動けるようになったのは、翼刀がこの場を去り、ディケイドたちがクウガを何処かへと連れて行った後だ。
彼女は蒔風達をどうにかして「EARTH」(仮)へと運び、すぐに翼刀を追って飛び出していった。
とはいえ、クウガの出現場所は「EARTH」(仮)の目の前だったこともあり、そう距離はなかったので運び込むのは簡単だった。
・・・・まあ一人で運ぶ以上、下半身をズルズルと引き摺ってという形ではあるが。
翼刀が駈けて行った方向は解る。あの方向は、「EARTH」ビルへと向かう足取りだった。
何があったのかは知らないが、何か嫌な胸騒ぎがした。
助けに入らないといけない。そう思って、彼女は翼刀の後を追う。
そうして「EARTH」ビルの前へと出て、正面玄関まであと数メートルというところで、彼女の足元がゆっくりと揺れ始めた。
「な、なに!?」
動揺する彼女だが、この程度の揺れでは走るのに支障はない。
何も問題はない。翼刀が向かった先では、きっと戦闘になっている。見つけ出すのはすぐだろう。
だと言うのに――――彼女の背中を舐めるような悪寒は、収まってくれるどころかさらに大きく膨れ上がる。
ガコン――――!!
「えっ!?」
と、そこで彼女は重い音と共にその揺れがなんであったかを思い出した。
何故忘れていたのだろうか。ここは「EARTH」地下訓練場の真上。そして、その訓練場の天井は開く。ならば
「うわ!!」
左右に開いた地面は、走る唯子の足を吸い込んだ。
咄嗟にその左右どちらかを掴もうとする唯子だが、一人分開いた隙間はすぐに閉じていく。
「うそっ!!」
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