第六章 Perfect Breaker
赤銅 対 飛鳥
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ようが、アクセルを踏まねば意味がない。
だが、飛鳥はすでに止まることなく、その名を告げて爆発する。
「火の鳥!!!」
放たれるのは、彼の最強の一撃。
「飛翔 火の鳥」と名付けられたその一撃は、まさしく始まりと終焉の炎。
如何に赤銅と言えども、この一撃を受ければ助からない。
その身は砕かれることも許されず、最後の細胞が焼けるまで意識は消えず、紅蓮の中で炭一片が燃え尽きるまで終わらない。
それを目の前にして、彼女は―――――――
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放たれる剣。
その剣は炎に染まり、そして自分以外の全てを染め上げる。
燃え盛る劫火は万物を焼く。
それは、標的に達するまでの大気ですらをも焼き尽くすということ。
その大気の構成に関係なく、物理法則を完全に無視して、その大気を焼き消していく。
その空間から構成する一切の物質が消え去り、それを補おうとして周囲の大気が駆けこんでいく。
渦巻く大気は風嵐。
天から降るは炎嵐。
巻き込まれるだけで、必殺。
しかし男は止まらない。なぜなら、これは攻撃ではないただの余波。
ならばそこに込める力など、構えるだけのものであり―――――ここから先が、彼にとっての「攻撃」なのである。
このままでは死ぬ。相撃ちなど望むべくもない。
そも、この空間に存在を赦されたものなど在りはしない。
この炎を以って「終われ」と言い放たれたのであれば、万物悉く焼けるが必定。
それは最強の翼人である、彼女ですら例外ではない。
防御をとれば、その炎熱で防壁が消えて彼女は死ぬ。
回避をとれば、この一撃は世界を消し炭にする。
取るべき方法など、ただ一つ。
真正面から同威力かそれ以上を以って迎撃するのみ。
だが、彼女がとった行動は
「な――――!?」
真っ赤に染まった視界。
その炎しか存在が許されないその中で、飛鳥は“別の赤”を見た。
抱きしめる様に、腕を広げた赤銅。
待ち構えて広げられていたその胸元に、破滅の炎が飛び込んでいく。
その全身は、彼女が集束したであろうエネルギーに満ち満ちていた。
「怒りの翼人・・・・そうか、この戦いに対する皆の怒りを収束したのか!!」
翼人の持つ特殊技能。
他者の持つ、自らの翼に由来する感情を収束し、純エネルギーとして変換する。
確かにそれならば、この炎の中でも活動は可能であろう。
しかし、炎に耐えられるのは数秒。
しかも炎に耐えたところで、迫りくる刃は止め
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