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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
赤銅 対 飛鳥
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女が、死に方を望むなんてことは許されない。


だけどそれでも、これだけは譲れなかった。そうしなければならない。命をかけねば―――今度こそ、そう言った命の使い方をしなければならない。
誰かが自分にその資格はないと罵倒しても、例え自分自身がそれを許せなくとも、彼女にはそれをしなければならない義務がある。彼にその姿を示さねばならない。たとえその対象が、彼自身であってもだ。



なぜならば―――――そうでもしなければ、彼が自分の為に命を懸け、そして散らしてしまったことが無意味になってしまうから。
自分を救おうと命を懸けてしまった彼が、彼の命が、その想いの全てが、本当に無駄になってしまう。


自分がどう無意味に生き、無価値に命を散らし、歴史にどのような言葉で記されようとも、その彼の想いだけは決して穢すことなどできない。


確かに赤銅の翼は悪魔だ、災厄だ、と指を指されて叫ばれる存在。


だがそれを、救おうとしたものがいた。命を懸けて。愛を賭して。彼女を解放し、救い出そうとした哀れな男がいた。


それは彼の人生でも、彼女の人生でも叶うことがなかった。
結局最後に彼女は兵器として暴れまわり、彼はその彼女に殺された。

最強の男は現実の前で無残に散り
最強の女は現実を奪われて果てた

彼等はその強大な力を持っていたにもかかわらず、運命の前に倒れ伏した哀れな一組。

どれだけ強大な力をもとうとも、彼等はお互いを救うことすら叶わない。
その身に宿した圧倒的な力を以ってしても、その努力がは報われることなく、悪魔の如き思想に敗れて散る。




けれど


確かに



それは彼の人生でも、彼女の人生でも叶うことがなかったけれど
決して、報われた結末などにはならなかったけれど


まだやれることがあるなら、今。



愛した彼のその命懸けを、最後の最期で無駄なんかにさせない。
破壊と破滅しかない私だけど、それでも、それでも出来ることがあるのだとしたら


「私は――――あなたを救いたい。飛鳥――――!!!」


澄みきった声。
迷い無き瞳。

その意思を表すように、真っ直ぐに激突する赤銅の翼。


彼女が、その身に秘められた様々な力を使うことはない。
飛鳥もまた、その全ての能力を発揮することはないだろう。

両者ともに最強。
二人の力は同じものではないけれど、ぶつかり合えばまさに互角。

だとすれば



残るのはただ、純粋なぶつかり合い以外にありえない。




各々二人が、自らの力を猛り走らす


観測者は自らの中に眠る終焉のそれを
翼人は自らの背より吹き出る破壊のそれを

構えるは、剣。
必殺を放
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