第六章 Perfect Breaker
強敵跋扈
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うするんすか」
「おまえな・・・・これは世界破壊の危機なんだぜ?そんなこと一々―――――言ってられるか」
「―――――――!!!」
蒔風の言葉。
そして、その眼差し。
聞き、そして見ればわかる。
この男は本気だ。本気でここ一帯を丸々犠牲にしてでも大聖杯を破壊し、セルトマンを止めると言っているのだ。
その決断に、翼刀は絶句する。
この事件が始まってから、まだ二日と数十時間しかない。周囲の住民の避難にはまだ一日かかるとされている。
しかも、大聖杯の破壊に伴う大災害の範囲がどれだけの者になるのかは予想の域を出ていない。
最悪の場合、冬木とは比べ物にならない被害が出る可能性もあるのだ。
とはいえ、確かに彼の言うことは正しい。
世界が破壊されるのと、ここら一帯の犠牲ならば、どう考えたって世界の破壊を防ぐ方が重要だ。
だからと言って、それをあっさりと見捨てるような男ではないはずだ。
だから今までも、サーヴァントとの戦いだってしてきたのではないか。
だが、それでもこの男はあっさりという
「知ってる。だが言っただろう。世界の危機と、お前はどっちを取るんだ」
「ッッ!!!」
ジャカッッ!!と、翼刀がヴァルクヴェインを蒔風に切っ先を向けた。
話の途中で蒔風はこちらに背を向けており、その後頭部に切っ先を向けている形だ。
この男は「悪」だ。
考える方向性は秩序や正義だが、その行動に倫理や道徳が全く入り込んでいない――――
もしもこの男の目の前にウイルス感染者が百人いたら、きっと他の人々を救うためにその百人を簡単に焼き払うのだろう。
冷や汗を流す翼刀に切っ先を向けられた蒔風は、一切取り乱さない。それどころか、さらに冷たい口調になっていく。
「・・・・何のつもりだ」
「あんた、何者だ」
「俺?俺は蒔風舜だっての。見て分かるだろ?」
「違う!!あんたは舜さんじゃ・・・・」
ドンッッ!!
瞬間、蒔風の背から何かが噴き出した。
その勢いにバックステップしながらも切っ先を向ける翼刀。
その時、見えた。
蒔風の顔が、邪悪にも見える笑みに染まっているのを。
「俺は間違いなく蒔風舜さ・・・・そう。間違いなく、だ」
その背には、間違いようのない銀白の翼。
最初は、姿を真似る敵なのかと思った。
だが違う。この威圧感と、銀白の翼は、間違いなく本物の蒔風舜だった。
「そこを退け。別にこれは令呪で縛られているわけでもねェしな。俺は大聖杯を破壊する」
「ンなことさせるか!!・・・って、え?」
今、こいつは令呪と言った。
ならばこいつはサーヴァント?
しかし、蒔風
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