第六章 Perfect Breaker
強敵跋扈
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んだ」
自分は人とのコミュニケーションが苦手だ。
両親は幼いころに死んだ。
引き取ってくれた親戚も、かなり遠縁で自分のことを邪険にしてくる。
人との間隔、付き合い方が全く分からないまま、このフォンという少年は育っていった。
誰も自分のことをわかってくれない。わかろうとしてくれない。
自分も、他の人のことがわからない。わかろうとしても、拒絶される。否定される。
一人だった。家族なんていない。
引き取ってくれた親戚は、ただ最低限の生活費(それも支援金だか何だかの3分の1くらいしかない)と、住むところを提供しているだけだと考えていたし、事実そう言われた。
世界には自分一人だ。
所詮、血のつながりがあってもそんなのは儚い物。
みんなひとりだし、いざという時に助けてくれるはずがない。
そう、考えていた。
だが、彼等に出会った。
アーヴ・セルトマン
自分に力をくれた。見極の完全を。そのおかげで、人との接し方を知った。
加々宮
粗暴だが、頼りになる兄貴と言った感じ。
コール
おチャラけた奴だが、彼のおかげでかなり人間不信がなくなった。
アライア
自分にいろんなことを教えてくれた。先輩、と呼ぶなら彼だろう。
オフィナ
年長者である彼は、自分たちを見守っていた(気がする)
歳も近く、対等の立場だったが、父親のような感じがした。
「あんたは・・・あんたたちは僕が手に入れた家族だ。いなくなったら、困る」
「はっはっはっは!!なに、お前は一人じゃねぇ。あの人がいる。まあ、あの人は悪だ。そりゃぁ悪い人だ。だがな、俺たちはそれを踏まえてなお、あの人に惚れた。自分になかったものをくれた。その一番スッゲェのをくれた」
「・・・・・」
「お前が来たとき、俺は思ったさ。こんな軟弱そうな奴が一体俺たちの戦力にホントになるのか?とかな。だが見てみろ。お前は最後まで残ってる。暴走もしてねぇ。一番すげえの、実はお前だったりするんだぜ?」
「オフィナ」
「俺らって言うお前の「家族」がいなくなり、最後の一人のあの人にまだついていくかは・・・まあお前の自由意思だ。実は俺らもそうだった。だが、これだけは言える。お前は、俺らの中で一番すげぇ。それは自信を持っていい。お前は、俺らの自慢の弟だったさ」
「それは・・・・・・クッ!!!」
いま失われるものを目の前にしたフォンが、そこで目を見開く。
それを見て、オフィナが苦笑いする。
「おー、解るか。そろそろ限界だ。暴走もクライマックスだな―――――お前、死のうなんて考えんなよ?」
「・・・・・わかった」
「よっしゃ。じゃーここから逃げろ。あいつは俺が」
そういって、
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