第六章 Perfect Breaker
最強の暴走
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ではオフィナに軍配が上がるためにハクオロの腕は弾き飛ばされる。
それどころか、消し飛んでしまうだろう。
現にいま、ハクオロの腕は肘から先がない。
だが、完全にそれを滅することができるかと言えばノーである。
ハクオロの腕は切れたとしても再生可能であり、さらに切れた状態でもその切り口から真っ黒なスライムのようなものを吐き出して攻撃することができる。
そうなれば、オフィナが弾き飛ばそうとも結末は変わらない。
腕を弾いても、強引に殴り抜ければそのまま“第二の腕”ともいえるそれで打ち付けることができるからだ。
『ぐッ・・・ぬぅう!!!』
だがこの状態で戦い続けるのには、ハクオロにもリスクが生じている。
このウィツァルネミテアの姿でいることに関しては、過去のWORLD LINKの効果だろうか、特に負担はない。
しかし負傷した箇所をそのままに抑えると言うのにはかなりの力を有する。
だんだんと精神を引っ張られていく気がするのだ。
(このままでは何をしでかすか・・・・・だから!!)
『その前に、終わらせてもらう!!!』
ハクオロの巨大な足が、地面ごと抉り取って蹴り上げられる。
それをフォンは必至にダッシュして安全圏ギリギリまで逃げるが、オフィナはそれを正面から殴り抜いた。
だが砕けるのは装甲と肉体だけ。その先から生ずる、腕から伸びているのと同じような物質に叩きつけられ、飛ばされる。
「ガッ・・・は・・・」
『いまだ!!!』
宙をスッ飛ぶオフィナは、まだ宙を移動するような能力はない。
故に、ここからの攻撃を回避するすべを持たないと言うことで
『オォォォオオオオオオ!!!』
ダガンッッッ!!というものすごい音がして、オフィナに向かってハクオロの鞭腕が叩きつけられた。
それをオフィナも腕力で弾こうとするが、相手は再構築される無固形の鞭。
ドプンと飲みこまれ、そのまま地面に叩きつけられてしまう。
陥没した地面の中心のオフィナは、即座に立ちあがろうとするもそこに次の拳がぶち込まれた。
いくらオフィナが殴り返して防ごうとも、この衝撃だけは全身に襲い掛かる。
ハクオロも精神を削っている以上、いつまで元はいかないはずだがこのままでは自分はつぶされてしまう。
頼みの綱のフォンだが、彼にはわかっているはずだ。
この状況下において、彼は踏み込むことはできない。踏み込めば死ぬだけだと、彼の完全がそう告げているはずだ。
だが、オフィナは絶え間なく叩きつけられる腕の隙間から、それを見た。
フォンがいる。そのフォンが、今にも泣きそうな顔をしてこちらに手を伸ばしているのだ。
フォンの完全は「見極」だ。
相手の一瞬
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