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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
最強の暴走
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ために、衛宮邸で凛や桜に怪しい点滴とか魔術とかで回復にフォローを入れられている。
がんばれ。



と、そこでついにオクタヴィアが動いた。


ギギギギギギ、と無理矢理歯車を動かすかのような音。
その音に、二人は思わず耳を塞ぐ。


そして閉じていた目をうっすらと開けると―――――


「これは!?」

「魔女の結界!!!」

周囲の光景が一変していた。
オクタヴィアは壇上の上に。周囲を囲むはオーケストラ。その中心は一人のバイオリニスト。

まるで、というか禍々しさはある物の、そこはまさしくオーケストラホール。

主役は哀れな人魚姫。
その姫の哀しみを慰める為、彼等は音を奏で続ける。



「ひ、ヒィぃィイいいいい!!!」

「おや、これはまたなかなか」

その光景にセイバーが感嘆し、さやかが顔を真っ赤にして口をパクパクさせた。

そりゃそうだ。
自分自身だからこそ、この結界の構造の理由がなんとなく分かる。


(わ、私お姫様になってる!!しかもあのバイオリンの人恭介じゃん!?私のためにだけとか私マジどんだけだぁぁああ!!!!)

「セイバーさん!!!」

「は、はい。なんでしょうかサヤカ」

「あいつブッ倒しますよ!!んで、ここで見たこと絶対に忘れてくださいね!!!?」

「わ、わかりました・・・・」


物凄い勢いに、思わず頷いてしまうセイバー。
魔女の結界。いわばここは、絶望し、真っ黒になるまで思い詰めた乙女の花園。

それをこのような暴露をされては、さやかだって穏やかではない。



壇上を駆けあがる。
その途中で襲い掛かってくるバイオリニスト。

そしてその頭を、さやかは勢いよく踏みつけて

「フンッッ!!」

「キュィッッ!!!」

メシャァ、と踏みつけられた使い魔は、変な声を出して潰れて消える。

そして剣の切っ先を向けてさやかは叫んだ。

「これ以上変なの見せられる前にあんた消してやるからね!!!」

捕捉すると、恥辱に真っ赤になりながら、である。



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一方、杏子の方もアリスと共に、武旦の魔女・オフィーリアの結界に取り込まれていた。

だが彼女の方はさやかほどひどくはない。
なぜならこの魔女の在り方は


「性質は自棄、ですか。なかなか杏子さんらしいですが」

「へっ、だからなんだっての?」

本来はこの魔女にも使い魔はいる。

「行進」の役割を与えられた使い魔がいるはずである。
だが、今その姿はなくただ魔女だけが佇んでいる。


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