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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
最強/究極
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ったのだ。




しかし、敵だ。
彼は彼女に剣を向けた。

その力は圧倒的なもの。世界を破壊する、翼人のクローン。その成功例。
だが彼もまた圧倒的な実力を持った者。

両者の実力は拮抗し、その内で語ることも多々あった。


そして実際に聞いてみると、彼女は「こういう存在」としてあるようにされていたらしい。

そんなことはあんまりだ。
その観測者は、皆に訴えた。


「彼女を救うことはできないのか」と

無論、反対者もいた。
すでに世界は一つ破壊されている。

当時そう多くない世界だ。
どれが外史か正史かわからない。どれがどう影響しあっているかわからないなれども、そこに生きている人間は確かに存在する。それが一つ消えた。この事実はあまりにも重い。

しかし、真の悪を倒さなければこの事態は終わったとは言えない。
その為には彼女の協力が必要だ。そうでなくとも、こちらに引き込むことはできないか。


そして観測者たちは話し合いの末に、それを彼に一任した。




こうして、彼女と観測者の奇妙な組み合わせが誕生した。


言葉を交わした。
剣を交えた。
一緒に寝たし、一緒に食べた。

共に生きた。
生きてみた。


現に一つ目の世界が破壊されてから、852時間と24分。
それだけの時間は、(不安定なバランスの上ながらも)平和なものだった。

当然彼女が暴れたりケンカもしたが、彼はそれを相手にできる程の実力者であるのも、彼に一任された要因の一つだ。


その中で、自然と彼等は惹かれあった。

何がいけないことか
何がすべきことか

それを教えてくれ、身を呈して私を止め、護り、諭してくれた彼に


そして倒すべきではなく、護るべき、救うべき彼女に、彼もまた



最初の一週間は最悪だった。
次の一週間はなんとなくいた。
次の一週間から、気に入った。
次の一週間になると、隣にいないと不安だった。
最後の一週間は、失いたくなかった。

そして、最後の一日に彼女はついに動き出してしまった。



後からわかったことだが、一向に進まない世界破壊の実状に、機関からの手が加えられたのだ。
最初は「そうあるべき」とそのままに破壊した彼女だったが、彼を知り、それを改めはじめていたのである。


だが、彼女に埋め込まれた本能(プログラム)は凶悪だった。
それは即座に暴れ出し、彼女の理性を奥底へと沈ませた。


暴れる彼女を、必死になって彼は止めようとした。

万に及ぶだけ、手を伸ばした。
億に達する言葉を掛けた。
兆を越えるほど、彼女の剣を止めて見せた。
京でも足りぬほど、彼女を想った。


だが、彼の想い
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