第六章 Perfect Breaker
最強/究極
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か・・・・」
ガク、と肩を落として気の抜ける思いのブレイカー。
そして、お互いに笑う。
「どうやら、君の破壊衝動はなくなったようだな。赤銅」
「うむ。できれば飛鳥――――あなたがいた時に、吾自らこの呪縛に打ち勝てればどれだけよかったか」
飛鳥、と呼ばれたブレイカーは、そうは言ってもしょうがないだろ、と笑う。
サーヴァント・ブレイカー
真名を飛鳥とするこの男は、一体何者なのか。
話は、遥か昔へと遡る。
かつて
赤銅の翼が誕生した時、彼女はすでに完成された兵器だった。
自らの破壊に疑問を持たず、ただそうであれと望まれて作られたように動き続けた。
彼女を作り出した機関は、その完成を喜び、そして世に放った。
そうすることで、彼女の力と性能を試したのだ。
そして、三つの世界が破壊された時点でその成果に満足し、機関はそれと相対するべき存在の開発(後のYOKUTOプロジェクト)に取り組んだ。
しかし、赤銅を止めるためには一切動かなかった。回収にもいかなかった。
成果がわかれば後は知らないと言わんばかりに放置したのだ。
あれに勝てるものなど、自分たちの作り出したもの以外ありえない。
ならば、誰かが封印し厳重に「保存」してくれる、と考えたからだ。
そして現に、そちらには観測者たちが動いた。
一つの世界が破壊され、異常を察知した観測者たちは赤銅を止めようと戦った。
だが彼女を止めることを出来ず、最終的には十一の世界が破壊されてしまう事態となる。
その戦いの中で得たデータをもとに、彼等は総力を以って立ちあがり、ある世界の辺境に彼女を封印することに成功。
そこに至るまでに出た死者、消滅者数は計り知れない。当時128名いた観測者も、この戦いが終わったときには卑弥呼一人を残して全滅。
これが、かの「赤銅大戦」の簡単なあらましだ。
その後の物語は、我々も知る物語。
だが、そのなかで我々の知らない男女の物語があった。
赤銅の翼を救おうと立ち上がった観測者がいた。
ただ一人だけ、いた。
一つ目の世界が破壊され、その事態を重く見て彼は一人で彼女の元へと向かった。
そして、その顔はとても静かなものだった。
破壊したいからやったのではない。
仕方なくやったわけでもない。
ただそうすることしか知らないからやった。
そう。赤ん坊が泣くことしか知らないように、彼女はそれしか知らなかったのだ。
静かながらも、その彼女からは「無邪気」という者しか感じ取れなかったのだ。
どうしても彼女が、邪悪なものには見えなか
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