ペルソナ3
1863話
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める傾向があるという話は、桐条から聞いている。
であれば、それが今日になってもおかしいとは思わない。
そんな風に考えながら、俺は無言で進む桐条の後を追い、やがて生徒会室からそれ程離れていない場所にある部屋に入る。
俺達が今日片付けた部屋程ではないが、それなりに散らかっている部屋だ。
桐条もそう思ったのか、部屋の中に入って微かに眉を顰めていた。
そんな桐条の様子を眺めながら、口を開く。
「それで? メールとか電話じゃなく、直接こうして俺を呼んだって事は何か大きい事があったんだろ? 有里が目を覚ましたか?」
「いや、そちらではない。彼はまだ意識を失ったままだ」
どうやら、俺の考えは違ったらしい。
なら、何だ?
「アルマー、以前お前から解析して欲しいと言って預かった物の中に、鏡があったのを覚えているか?」
「鏡? 鏡……ああ、あったな。あの鏡がどうかしたのか?」
そう言えばそんなマジックアイテムがあったなというのが、俺の正直な感想だ。
何しろ、今まで桐条財閥に渡したマジックアイテムの数は相当な数になっている。
それこそ、数えるのが馬鹿らしくなるくらいには。
普通であれば、それだけのマジックアイテムを預ければ、そのまま向こうが所有権を主張してきたりしかねないのだが、幸いな事に桐条グループの面々は俺の能力を知っている。
少なくても、影のゲートを使って、影のある場所であればどこにもでも出入り出来るというのを知っているのだ。
そんな俺を敵にするような真似をすれば、それこそ命がどれだけあっても足りないというくらいは理解出来るだろう。
「その鏡だが……調査した結果、効果が判明した。正直なところ、かなり凄い性能だ。それこそ、シャドウとの戦いでは切り札になるかもしれないと思うくらいには」
桐条の興奮した表情というのは、普通に考えてかなりレアなんじゃないだろうか。
そんな風に思いつつ、桐条がこう言うのであれば確かにそれはかなりの性能を持つ物なのだろうというのは想像出来た。
「具体的には、どんな効果があるんだ? 勿体ぶらないで教えて欲しいな」
「そうだな、あまり引き延ばしてもどうかと思うし、率直に言おう。あの鏡は、敵が使ってきた魔法を跳ね返す能力がある。……ただ、分析結果から考えれば、1度。成功しても失敗しても、1度使えば壊れてしまう消耗品だ」
「……へぇ」
桐条の言葉に、何故ここまで興奮していたのかを理解する。
実際、もし桐条が言っている内容が事実であれば、それはこれからの戦いで大きな力になるのは間違いない。
特に、死神が使ってくる魔法はどれも強力な魔法で、マハムドオンとかいう闇を使っただろう魔法攻撃はどんな効果を持つのかすら分からない。
だが、あの鏡が魔法を
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