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提督はBarにいる・外伝
応接室の応酬・2
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。腰のベルト辺りにでもナイフを忍ばせてるんだろうなぁ?そして3つ目、特定の指の関節に特殊なタコが出来ている。コイツは長年、それも日常的に銃やナイフを扱っていないと出来ない代物だ……さて、申し開きがあるなら聞くが?」

 俺が目の前の2人をただの大使館職員ではないと看破した理由をずらずらと挙げてみせる。それを大人しく聞いていた眼鏡は、やがて諦めたように首を左右に振り、

「やれやれ、そこまで見破られているのなら仕方がない。確かに私達は大使館職員などではない……アメリカ政府の秘密工作員と理解してもらえれば」

「やっぱりな、漸く尻尾出しやがったな狐めが」

「狐とはまた辛辣な……それで、サラトガを引き渡して頂けますね?」

「もう忘れたのか?答えは『NO』だ。信用出来る・出来ないは大前提……その上で俺はお前らにサラトガを引き渡す事は出来ないと判断した。ユーアンダスタン?」

「成る程、ではビジネスと参りましょう。保護して頂いた謝礼金は弾ませて頂きます……ですからサラトガの身柄をこちらに」

「金で買おう、ってのか。そりゃ人身売買に当たる行為だろうが」

「しかしそれはあくまでも人間の場合。人の形を象った人為らざる者には適用されないでしょう?」

 勘に触る言い方だ。つまり艦娘は人ではないと暗に言ってやがる……胸糞悪い。

「おっと、ここは日本の軍事基地だぜ?つまりは日本の領土も同じ……治外法権だ。日本じゃ艦娘は人権を認められており、一端の軍人と認識されてんだ」

「ですがサラトガはアメリカ軍に籍を置いています。なればアメリカの法に沿うべきでは?」

 はぁ……面倒な奴だぜ。じゃあこっちもカードを切るとするか。

「見殺しにしようとした軍人に、法の適用もクソもねぇとおもうがねぇ?」

 俺が無造作に放った一言に、応接室の中が凍る。眼鏡の方は表情を崩さないが、ガタイのいい方の兄ちゃんは顔に『貴様、何故それを!?』とデカデカと書いてある。

「……はて、何の事やら」

「そうかい。実は内に青葉って艦娘が居てね?厄介な事に、他人の秘密やら何やらスッパ抜こうとする傍迷惑なパパラッチのような奴なんだが」

 俺がパンパン、と手を叩くと応接室の扉が開かれ、1台のノートパソコンが運ばれてきた。俺はそれを徐に立ち上げ、1つの動画ファイルを再生して2人に見せる。その内容はアメリカ政府がトラック泊地への核攻撃を画策していた事や、それを裏付ける証拠の数々、そしてそこで見殺しにされかけていた島民やサラトガ達アメリカ兵を救出するシーン等がドキュメンタリー番組タッチに編集され、30分程の映像に加工されていた。青葉に任せていたのはこの作業だったワケさ。

「まぁ、多少胡散臭い部分もあるが良く出来ててな。あながち嘘とも思えな
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