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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's〜STS編
第百七話 魔導師ランクの獲得試験 前編
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うわけだ。

 そこからは単独行動のものは背後から、複数でいる者達は小石などを投げたり音で意識を逸らした瞬間に一人、また一人と撃破していく。

 もはやこの場は士郎の狩場となっていた。

 そして、副隊長のいたところからは最後に残った隊長と三名の姿が見えるのだ。

「全力防御!
 走れ!!」

 それとほぼ同時に向かいのビルから放たれる矢。

 士郎の姿を補足する事よりも生存の為に走る。

 矢が止み、四人は息を荒くして背中合わせに窓や通路に杖を向ける。

 通路や窓に警戒するのは正しい。

 それを証明するように外の様子が見えない曇った窓ガラスが音を立てて亀裂が走り、全員が杖を向ける。

 だが、このような廃墟の場合、他にも気をつけねばならない。

 崩れたところがあり、使われていた当時にはない隙間が存在する。
 壁や床、そして天井に

 窓から一番遠く、他の三人の視界に入っていないのが一人。

 甲高い音を立てて杖が転がる。
 振り返ったときには四人は三人に減り、天井にはぐったりとした仲間の足が覗く。

 士郎は穴が空いた天井を使い、一名を声も上げさせず上の階に連れ去り、そのまま沈黙させていた。

「上だ!
 撃ちまくれ!!」

 士郎がいるだろう上の階に向かって三人は手当たり次第に魔力弾を叩き込む。

 だがその破壊音が士郎の移動音をかき消してしまう。

 士郎は三人の攻撃と共にビルから飛び降り、重力に任せ落下しながら矢を放ち、一人を撃ち抜き、そのまま武装局員達の一つ下の階に飛び込む。

 撃ち抜かれた者が倒れ攻撃が止み、意識の有無を確かめようと駆け寄る武装局員。

 その動きを士郎は耳を澄ませ、天井に張り付き手で触れ、振動で完璧に把握する。

 隊長は順々に消えていく仲間の姿に呆然と倒れた仲間と駆け寄る仲間を見つめていた。

 次の瞬間、床を突き破り赤い外套を纏うナニカが駆け寄る仲間を羽交い絞めにし下の階に引き摺り込まれた。

 瓦礫の音だけで引き摺り込まれた隊員の声は聞こえない。

 本来なら確認しなければならない。
 だが本能が悲鳴をあげて杖を向けながら後ずさる事しか出来ない。

(この場は既にアレの狩場だ。
 離れないと、地上本部陸戦武装局員に合流して情報を渡さなければ)

 本局と地上の軋轢など既に頭になく、生き残るために思考をフルに働かせる。
 しかし、それはあまりに遅すぎた。

 手に走る衝撃と共にデバイスの杖は隊長の手を離れ転がり、床に引き摺り倒され、蛇のように素早く首に締め上げる。

「あっ……がっ……」

 必死にもがくこうとするが、士郎は締める際に右腕を上げさせ首と共に締めているのでは、振りほどく事はで
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