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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's〜STS編
第百七話 魔導師ランクの獲得試験 前編
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スフィアを、ん?」

 士郎がスタートしたはずの方向を睨む本局武装局員の隊長の目に一瞬、赤い光が奔る。

 気のせいかと眼を擦るよりも速く。

 爆発音と共に配下の局員が撃墜された。

「物陰に退避!!」

 士郎の狙撃に気がついた訳ではない。
 ただ経験から退避しなければ全滅するという危機感から叫んでいた。

 空に展開されていた武装局員達が高度を落し、ビルの陰に退避しようと空を駆けるがその最中にも赤い閃光は武装局員に襲い掛かる。

「くそっ!
 何人墜とされっ!?」

 物陰に隠れ、状況を把握使用するよりも早く、曲射で放たれた矢が降り注ぐ。

「防御体勢をとり屋内に退避しろ!!」

 必死にシールドを張りながら武装局員達が建物内に飛び込む。

 既に三十いた武装局員達のうち、半数が既に脱落していた。
 だが悪夢はまだ終わらない。

「飛行魔法が使えないと聞いていたが、これでは上を取ることも出来ない。
 むしろ分断され狭い屋内じゃこちらが不利だ。
 各員、状況を報告しろ」

 この状況下で不用意に外に出る事はできない。
 狙撃というよりも爆撃のような攻撃が止み、砂煙が収まり始めた頃、窓の外に視線を向けながら武装局員の隊長から通信が飛ぶ。

 飛行魔法を使えない士郎相手に制空権を確保しておけば有利に叩けると考えていたが、完全に裏目に出た格好だ。

「こちら副隊長、以下二名。
 隊長の道路側向かいのビルです。
 こちらから隊長の姿を肉眼で確認できます」
「こちら第五班二名、第六班一名、隊長のとなっ!?」

 通信が途切れる。

「おい、応答しろ!
 何が起きてる!?
 副隊長! そちらから何か見えるか!!」
「……あ……が……っ……」

 だが、副隊長に対しての呼びかけも返ってくるのは首を絞められているのか、苦悶の声にならない悲鳴だけで通信が切れる。

 通信から流れてくる声に隊長と傍にいた三人の表情に恐怖が見え隠れする。

 敵である士郎が既に武装局員達の傍まで迫っているという事実である。

 だが士郎は転移は使えない。
 どうやってあの距離を短時間で移動したのか武装局員達には理解できなかった。

 理解できないのも無理はない。
 士郎は頭上から降り注ぐ矢を放っている時、既に移動を開始していたのだ。

 初め、空に展開された武装局員達を狙撃し、建物の影に隠れさせ、視界を遮る。
 更に士郎自身の発見をされにくくするために頭上から矢を降らせ屋内まで追い込む。
 それと同時に狙撃していたビルを降り、発見されにくいように地上を疾走しながら矢を放ち続け、降らせ続ける。

 矢が止むころには既に士郎は武装局員達が飛び込んだ建物の侵入しているとい
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