暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's〜STS編
第百七話 魔導師ランクの獲得試験 前編
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
一組で実施される試験だけに地下等外部から絶対に見えない位置にもスフィアは存在するのだが、今回は士郎一人という事で単独で破壊できるように位置が調整されている。

 無論、発見しづらいようにビルの中などに潜んでいるスフィアもあるのだが、士郎からすれば隠れていないに等しい。

 廃棄都市とはいえ周囲のビルには汚れながら残っている窓ガラスも多くそれを鏡にして、直接見えない箇所も補足している。

 直接狙えない標的は複数の矢を使い兆弾で破壊していく。

 しかしながら、大型スフィアは矢の一発とはいかない。

 陸戦Bランクを受験してきた者達を苦しめてきた大型狙撃スフィア。
 伊達に固い装甲はしていない。

 反撃とばかりに自身に降り注いだ攻撃に反撃しようとセンサーを攻撃方向に向ける。
 だが大型スフィアは攻撃者を補足することが出来ない。

 士郎はスタート地点から近くのビルに動いただけであり、大型狙撃スフィアの攻撃範囲に入らない。

 そして、次の瞬間には放たれた九射が継ぎ矢となり、装甲を突き破り沈黙した。

 こうしてスフィア群は一度も士郎を補足し射撃する事無く全機が沈黙したのだ。

 それを確認し、そのままスフィア群の向こうに視線を合わせ、再び弓を引き絞る。

 武器を構えてから一歩も動く事無く、一度の反撃を許す事無く、ただ弓による狙撃というふざけた方法によるスフィアの全滅という光景に監督役のエイミィをはじめ、モニターしていた面々は息を呑む。

 今回の試験は魔術師、衛宮士郎の試験という事もあり、本局や地上本部の幹部達も見ているが、あまりに想定外の戦い方であった。

 これが仮に拠点防衛戦とすれば攻める側の恐怖は計り知れない。
 魔法により照準補正でもなく、ただ弓術という技術による攻撃。
 今回は魔導師試験という事もあり矢は実体弾だが、実戦なら魔力を使う事すらない可能性もある。

 モニターで見ている側は驚愕だが、士郎が狙いを定める者達からすれば現在の状況は何が起きているのか把握できていなかった。

 士郎がスフィア群を抜けるのがわかるようにサーチャーを展開し、その映像を監視していたが、そこに写るのはスフィアが破壊されていく映像だけで士郎の姿は一度たりとも映っていない。

「いったい、何が起きている?
 探索班、状況は?」
「未だ反応なし。
 周囲五百メートルに魔力反応はありません」

 本局武装局員の隊長は周囲に探査魔法を奔らせ、情報を集めようとするが何も反応はない。

「何がどうなっているんだ」

 見えない敵。
 ましてスフィアをどうやって倒したのかも把握できていない。

「魔術師とはいえ魔導師ランク試験だ。
 魔術による攻撃とは考えにくい。
 ならどうやって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ