ウィザード・トーナメント編 前編
「11」
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紹介をしてきた。
「俺は庵洛寺 雄。マーリン学園3年生にして学年序列2位。学園序列も2位。役職として現生徒会副会長をしている。」
「造偽 誠。1年生です。序列は学年320位。つまり最下位ってことです。以後、お見知りおきを。」
俺は普通な挨拶で済ませたが、内心はすごく興奮に近い感情で溢れていた。生徒会副会長は今俺が狙っている役職に他ならない。それを今している人にまさか会えるなんて誰が思えるだろうか。
「1つ。聞いていいですかいや、2つ聞きたいです。」
「お、おう。まぁまだ時間に余裕はあるか。何を聞きたいんだ? 答えられる限りは答えてやらんでもない。」
「なんでさっきは外に出てたんですか?昨晩の事件以降は生徒一人での外出は禁止されていました。それなのにどうしてです?」
「あぁ、証拠の回収を頼まれたんだ。」
「誰に?」
「マーリン学園長に。」
詳しい事情を聞くと、マーリン学園長の持つ千里眼の効果により昨夜、事件が起きた場所は特定できたため、何か犯人に繋がる証拠がないかを探していたらしい。まぁ現場を特定できるなら犯人も特定すれば良いじゃないかと俺は思うわけだが、そこが学園長の悪いところで犯人の特定までには至らなかったらしい。
副会長が探索に動いた理由は、副会長の実力なら仮に探索中に犯人と出くわしても問題ないと学園長が判断して仕事を依頼したというところだろう。
不意に副会長が腕時計を確認したので、俺は副会長が急いでいることを理解して話を切り上げた。副会長はそのまま学園長の待つ部屋に向かった。
(あれが造偽 誠か。学園長が特別に裏口入学を認めた生徒。この学園は金とか名誉とかそういう理由で裏口入学を許すような場所じゃない。それ相応の理由があるということか。)
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