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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」
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うな不気味な態度も理解できる。あとは、何がきっかけで誰にどこに呼ばれたかだ。


洗脳系統の魔法は、相手に何かしらの術式を施さなければいけない。特定の条件を全て揃えると、魔法が自動的に発動して、相手の意識を奪うという仕組みだ。


「なぁ暮斗。敵は俺らと同じ生徒の中にいるのかな?」

「その可能性は否定できないよな。しかも相手が女子ならなおさら厄介だ。女子部屋で起こってる出来事だとすれば、俺たちが現場に立ち寄るわけにも行かない。」

「何かきっかけがあれば.......ん?」


病院からホテルに戻る途中、俺は一人の男子生徒が街中を歩いているのを見掛けた。どことなく胸騒ぎのようなものがした気がしたのだが、今は暮斗もいるのでそのままホテルに戻った。













ホテルに戻ってからしばらくすると、例の男子生徒がホテルに戻って来た。俺は相手に最初から突っかかっていくのはダメだと考えて尾行することにした。


男子生徒はタオルで包んだ何かを持った状態で黙々と、やや小走りにホテル内を歩いている。しばらく尾行を続けていると、曲がり角に男子生徒が消えた。この展開は俺が好きな漫画とかで何度も見たことがある。角を曲がると、相手が待っているパターンだ。


そんな誘いに乗るかよと俺はじっと留まろうとした。すると、誰かが俺の後頭部に銃口を押し付けるようなポーズを取った。


「動くと眉間に風穴開くけど、両手を上げるのは許してやる。手を上げろ。」


最後の言葉には明らかに殺意が込められていた。迫力で言えば空港で感じたそれとさほど変わらない。俺は仕方なく両手を上げた。漫画の読み過ぎによる先入観は持たない方がいいと理解した。


「さっきから俺を尾行してたけど理由は何だ?」

「その手に持ってるタオルで包んでる物が何か確認したかったんですよ。昨晩あんな事件があった後だ、疑いの目を向けられても仕方ありませんよ。」

「なるほど。それで尾行してこうなったと。」


俺の背後に立つ男子生徒は後頭部に押し付けた銃口を離すと、タオルで包まれた物の正体を見せた。彼が手に持っていたのは血痕の付着したナイフだった。


「っ!!!」


その瞬間、全身の毛穴が開いたように全身を悪寒が包み込む。俺は選択の手順を間違った。ここで口封じに重症を負わされるか、最悪の場合殺される。だが、俺の判断に反して彼は手に持ったナイフを脅しのように見せつけるとナイフを仕舞った。


「お前、俺が犯人だったらここで消してたぞ。」

「どういう....」

「俺は犯人じゃないってことだ。」


彼は俺の腕を掴んで立たせるために引っ張り上げる。振り返って男の顔を確認すると向こうから自己
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