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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」
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.......トイレか....?」

「..............トイレです。」


そう答えなければ殺されそうな気がした。その後、俺は一回に降りてトイレに立ち寄り、帰りは先生に見つかったから敢えて階段を登って個室に向かうことにした。一度バレた時点で、すべての先生に情報は回っているためもう隠れる理由がない。


「..........きゃ....」

(ん?)


誰かの声が聞こえる。女子の声だ。ボソボソ声でうまく聞き取れない。もっと耳を澄ませてみる。


「...........か......きや..............い.......なきゃ...」


次の瞬間ちゃんと声が聞こえた。彼女は確かに「行かなきゃ」と連呼していた。今は夜の11時だ。どこに行こうとしてるんだろうか。それに連呼してるってのも不可解だ。


声はどんどん近付いて来る。階段を使ってどこかに行くつもりなのか。階段の踊り場で耳を澄ましながら声を聞いていると、その声の主は踊り場にやって来た。


「.........っ!!」


彼女と目が会う。だがその目には明らかに光が灯っていない。俺は近距離で彼女と目が会って驚いたが、対する彼女は微塵も動じる気配がない。


「行かなきゃ......行かなきゃ.......」

「なぁ、行くってどこに。」

「................................................行かなきゃ.......」


彼女は再びその言葉を連呼しながら歩き出す。俺の呼び掛けに反応しないどころか、俺と肩がぶつかったのにも関わらず、彼女は一切反応せずに黙々と階段を降り始める。俺は気味が悪くて、急ぎ足でそのまま個室に戻ってしまった。















ー翌日ー


俺たち生徒は翌朝の6時半に1階のホールにて点呼を取らされた。点呼は普通毎日午後6時に取るのがしおりに書かれている内容だが、こんな時間にそれがあるということは何かあったのは明確な事実だ。


「生徒諸君。心して聞け。昨夜、我が校の1年女子生徒が何者かに襲われ、重症を負った状態で発見された。命に別状はないが、大会の出場は棄権せざるを得ない。」


生徒一同が戦慄した。無理もない。俺に関しては昨夜襲われた女子に襲われる直前に出会っているんだからなおさら恐怖を感じた。同時に彼女を助けられなかった自分の弱さを悔やんだ。


不意にどこからともなく女子の泣く声が聞こえた。襲われた女子の大会でのパートナーだったのか、それとも普段から仲の良い友達の一人なのか、単に自分が襲われるかもしれない恐怖に怯えて泣いているのか、何故なのかは分からない。ただ俺もこの
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