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キコ族の少女
第31話「予期せぬ再会」
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大きな力がこちらに向かってきていることに気づいて、即座に警戒の言葉を怒鳴った。
 しかし、スクワラやダルツォルネなどの“それなりに”事情を知っている人以外は、俺を“ネオンお気に入りの玩具”として見ているのだろう。前者達が即座に反応したのに対して、後者の人たちの行動は鈍かった。
 それでも時間にして、1秒もあるかないかの差で動いたくれたので柔軟性のある人たちであるのだろうが、その1秒程度の差は生死を分けるには十分すぎるほどの差で……


「ぎゃっ!?」
「ごはっ!?」
「ぶg……」


 壁を“破砕”して俺たちの方へと殺到してきた“念弾”は、逃げ遅れた護衛の人たちを文字通り“消し飛ばし”ながら、護衛団の中心にいたネオンへと迫ってきた。
 ダルツォルネが自信を壁とすべく念弾とネオンの間に入ろうとするが、それよりも早く1秒以上の余裕があった俺が展開させた防御力重視のヒスイを某ロボットが装備しているシールドビットのように、必中コースの念弾だけを選択してぶつけていくことで無力化させていく。


「なっ!?」
「早く指示を!!」


 ダルツォルネは、自分が受けるはずだった攻撃がすべて無力化されていることに理解しきれていないのか、盾になるように構えたまま固まってしまっていたが、俺が声を荒げてると、押し倒すことでネオンを攻撃から守ろうとしていたエミリアとともにネオンを守りつつ、動き始めてくれる。正直、これ以上は念弾の嵐を防ぎ続けていける自信がない。
 それに、懐かしい感じのオーラを纏って、こんな攻撃をしてくる人物を俺は知っている。
 そして、予想通りの人物であれば、俺が勝てる見込みは……


「っ!?きゃあああっ!」
「ユイ!!」


 戦闘へ向けていた思考が少しズレた瞬間を狙いすましたかのように、今まで防いできた念弾に紛れて一回り強力な念弾が数発、俺を狙って放たれた。
 防御用のヒスイを対消滅目的で体当たりさせるも、減衰させることしかできず咄嗟に急所を手足でガードすることで攻撃を受け止めるが、衝撃で近くの壁へと吹き飛ばされてしまう。


「……やっぱり、お前だったか」


 自分の背後で破壊された壁の残骸が崩れ落ちる音に?き消されてしまうほど小声だったが、確かに聞こえた懐かしい声は、いつもは暖かな声色をしているのに、今はとても冷たい。


「……フランクリン」


 いつも優しくて頼りになる大男は、背筋を凍らせルカのような冷たい視線と指先の銃口を、俺へと向けていた
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