第30話「おはようの一幕」
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シャツにハーフパンツとラフすぎるかもしれないが、スピード重視ということで簡単に着替えて―――もちろん下着は着用してる!―――から、毛づくろいなどで身だしなみを整えたテトを肩に乗せてから朝食を摂るためにドアへと向かっていった。
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「……朝食を食べるはずだったと思うんだけどなぁ……」
「こら。頭を動かさないの!」
朝食を食べようとしていたら、いつの間にか美容院に来ていた。何を言ってるいるのか云々……と、ネタとして多用されている例のセリフを脳内で呟きつつもエリザが手慣れた手つきで俺の髪の毛を整えていくのを、鏡越しに眺める。
まあ、少し考えれば分かることだ。
ここ最近は入院生活が続いていたために髪の毛を弄ることなんてほとんどしていなかったので、生前の寝癖などつきようがない短い髪であった時の要領で行動してしまっていた。
退院の時も、エミリアが嬉々としてヘアセットをやってくれたので、数か月ほど“女”として髪の毛を整えるということをしていない。
生活の一部分となるまで習慣化していなかったので、忘れてしまっていることとかが色々とありそうだ。
所々に寝癖からピンッと跳ねていたりしていた俺の髪の毛を、ヘアアイロンを使って器用にキレイなストレートへと整えていくエリザの手際の良さはすごいので、時間のある時に教えてもらうとしよう。
「時間がないから、今回はこれくらいが限界ね」
「ありがとうございます」
「すごく綺麗な髪の毛なんだから、ちゃんと手入れをしないとダメよ。この後は忙しくなるから難しいけど、今度にでも時間を作って教えてあげるから!」
「は、はい……」
ガシッと俺の両肩を掴み、鏡越しに俺を強い視線で射貫くエリザに、俺は上ずった返事をすることしかできなかった。
そういえば、マチやパクも俺に“女性”としての身だしなみについて教える時に、似たような雰囲気を醸し出していしたような気がする。
……はっ!雰囲気が同じってことは、あの地獄のようなレクチャーを彼女も行うかもしれないってことか!?
すごく逃げたい!超逃げたいんですけどーーー!!
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