第30話「おはようの一幕」
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して許しを請うてきた。
「待ってくれ。ノックもなしに入ったことは悪かった!」
「謝って済むなら、警察は要らない!!」
「うおぉおぉっ!?」
屋敷の備品を壊してはダメだという、微かに残る理性からヒスイによる扉の破壊という選択肢を破棄した俺は、代案としてハクタクを三体ほど顕現させて扉をすり抜けさせることで向こう側にいるスクワラを捕縛しようとするが、彼はオーラで強化した手刀によってすべてが斬り倒してしまった。
幸いにも、感情の勢いに任せた稚拙な念獣だったために制約による失血量は僅かであったが、軽い立ちくらみでバランスを崩してベットへと倒れこむととみに、高ぶっていた感情がシオシオと萎んでいく。
ハクタクの襲撃以降、アクションがなくなったこと俺が落ち着いたと理解できたのだろう。今度はキチンとノックをして、入室の許可を得てから部屋へと入ってきた。
ちなみに、俺は寝間着姿に逆戻りしている。
「本当に悪かったな。俺の不注意だった」
「いえ。こちらも驚いたとはいえ、攻撃してしまって、すみませんでした」
俺のような子供に対しても、ちゃんと頭を下げて謝罪する彼の態度に好感を覚えつつ、ラブコメのようなラッキースケベに対しての容赦のない攻撃をしてしまったことを謝罪した。
ああいうのは、爆発に巻き込まれてもアフロヘアになるだけで済むような補正空間であることが大半であって、この世界にはそんな都合のいい補正はないので、攻撃が通っていれば大ケガをさせてしまったかもしれないのだから……。
少しの間、お互いに謝罪をし合うという日本人のような事を行った後、スクワラは早朝に俺のいる部屋へ来た目的を話してくれた。
「ネオンさんの、護衛ですか?」
「そうだ」
オウム返しのように聞いた言葉を口に出した俺に、彼は茶化すことなく聞き間違いではないことを確認してくれた。
とはいえ、聞いた言葉通りとなると当然の疑問が出てくるわけで……
「あの……昨日今日、来たばかりの私が重要人物の護衛っていうのは、問題ないんですか?」
「もちろん問題はあるが、ボス直々のご指名だからな諦めてくれ」
「ぇ〜……」
「護衛といっても俺がほとんど対応するから、厳密には嬢ちゃんはボスの話し相手をしてくれるだけでいい」
「それって……」
「汚い言い方だが、居候の身ということで引き受けてくれ」
「別に嫌だというわけではないので、そんな言葉を引き合いに出さなくても手伝いますよ」
「そうか!!いやぁ、色々と悪いな!」
異様に喜ぶ彼に若干の違和感を覚えつつも「詳しい話は朝食の後だ」ということで、寝間着のまま行くわけにもいかないので着替えるために部屋を出て行ってもらった後、外に人を待たせているということでT
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