第28話「ユイとスクワラとエリザと……2」
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いえ、その後も1つケーキを平らげたので、ちゃんと冷静になっているのは今なのかもしれないが、できればもっと早く自分を取り戻したかった。
「……けふっ」
「ふふっ、たくさん食べたんだから仕方ないわね」
まだ食べている人がいる前で行儀悪く″おくび”が出てしまったが、エルザは笑って許してくれ、スクワラは苦笑しながらも紅茶を口にしている。
ケーキを夢中で頬張ったり、満腹だからと“おくび”を出したりと、色々とダメな部分を見せすぎてしまった。
テーブルの上で仰向けになり、でっぷりと膨らんだお腹を見せながら満足げに居眠りをしているテトが羨ましいと同時に妬ましくも思える。
「えと……何か、私に話があったんでしょうか?」
幼い子を見守るかのような慈愛の視線を二人から注がれている状況を動かすために、とりあえず俺をここ理由を聞いてみる。
ついさっき思い出したのだが、スクワラとエルザは原作では恋人同士だったはずだ。
そこで、犬と彼女を養うために転職を云々とスクワラが悩んでいたところを考えると、それなりに長い付き合いだっただろうから、そこから1年と少し前の現在なら既に恋人同士になっているはずだろう。
となると、デートの時間に俺がお邪魔していることになる。そんな人の恋路を邪魔する最低野郎……じゃなくて最低女郎とはなりたくないので、さっさと要件を済ませてお暇するとしましょう。今更な気がするけどね。
「少しの間、嬢ちゃんは俺と一緒に行動してもらう」
「エミリアは?」
「アイツはアイツで仕事をしてもらうから、ずっと一緒にはいられない」
「分かりました」
要は「信用できないから監視をつける」という事なのだろう。
覚悟はもちろんしていたので驚きや動揺はない、そもそもノストラードファミリーに対して邪な考えを持って接近したわけではないのだから、当然といえば当然だ。
問題があるとすれば、マチへの連絡はメールになってしまう事だろうか。せっかくの旅団の皆との会話を楽しめる時間だったのに……。
「私も一緒にいるから、男には聞けないことがあったら、言ってね」
「え?あっ、はい」
「ふふっ、何だか子供が出来たみたい」
そういって嬉しそうに俺の頭を撫でるエルザの手付きは、旅団の中で特に良くしてもらっているフランクリンやマチなどが偶にしてくれる“良い子良い子”と似ていて、ようやく収まった脳内のふやけ具合が再発してフニャ〜っと、はにかむ様に顔が崩れてしまう。
「何、この可愛い生き物っ」
「うひゃん!?」
何かにツボったのかエルザが何やら独り言を呟くと、俺を抱き寄せて膝の上に座らせるとペットを愛でるかのように撫でまわし始めた。
というか、脇腹とか弱いから触らな
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