第24話「第三の念獣」
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いでいるであろう俺を流星街に捨てるという行動が理解できない。
いや、自身が転生したのか憑依したのか分かっていないのだから、捨てられたと判断してしまうの安直な考えだろう。ただ、憑依系だとして“この少女”が捨てられたのだとしたら、それなりの理由があるはずだ。
やっぱり、出自などを含めて自分の種族の事について調べた方がいいな。
「お父さんなら何か知ってるかもしれないんだけど、常に世界をお母さんと一緒に飛び回ってるから……」
「いえ、色々と知ることが出来ました」
エミリアの父親は先祖がキコ族だそうで、彼女の種族に関する知識はすべて彼から教えてもらった事ばかりだそうだ。さらに念についても母親も加えて二人からの英才教育を受けていたと気持ち自慢げに語ってくれた。
とはいっても仕事関係で世界を一緒に飛び回る生活というものに嫌気がさしたエミリアは、また立ち寄った際に合流するという条件で天空闘技場のある此処で両親と別れて自由で気ままな一人生活を満喫していると話してくれた際に、彼女の行動力とそれを容認してしまう両親に呆れてしまったのは仕方ない事だと思う。
その後はエミリアが様々な話をして俺がそれに適当な相槌や返答をするというガールズトーク(?)が続き、面会時間ギリギリで退室する際に「雇い主として雇用者の体調管理は必須だから、明日も来るね」という謎理論を展開して嵐のように帰っていった。
花が咲いていたようにという表現するかは迷うが、楽し気な声が絶えなかった病室は途端に静かになり、いつも通りテトと二人だけになっただけだというのにテーマパークなどで迷子になった子供の時のような、言いようのない怖さと心細さが俺を襲い無意識にブルリと体が震える。
たった数日の関係であるエミリアに対して少なからず依存しているかのような自分の状態を認めたくなくて、テトを抱きしめて布団の中へと閉じこもった。
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