第14話「互角×会場の熱気=ひゃっはーっ!」
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まう余計な感情は心の奥底へとしまいむと、深呼吸を数回して興奮している自分を落ち着ける。
俺が冷静になるのを待っていたかのように、軽く構えを取ったヒソカが挑発するような手招きをする。
その挑発に乗って、俺はヒソカに向かって体を弾丸のように突撃させる
そして、体をかがめて飛び上がる体制を……フェイントにサイドステップでヒソカの右側へ移動すると、石畳同士の境目に蹴りを入れる。
ボコンッ
そんな空気の音と共に、石畳が一枚浮かび上がると、蹴られた勢いのままにヒソカへと向かっていく。
それを隠れ蓑しつつヒソカの近くで石畳を砕こうと後を追ったのだが、それよりも先にヒソカに砕かれてしまい、飛んでいる方向とは逆からの衝撃に砕けた石の破片は四方八方へと散らばった。
くっ、ゴンの真似事はやっぱり無理があるか。
心の中で舌打ちをしながら、左手で飛んでくる破片を弾きつつヒソカの姿を探すが、すぐに背筋が凍るような気配を感じ反射的に身をかがめる。
と、さっきまで自分の頭があった場所にヒソカの足が風を斬りながら通り過ぎると、蹴りの余波が周りの破片を飛び散らした。
想像以上の威力の蹴りに、受けた際のダメージを想像してしまい背中に冷や汗がドッと湧き出る。
しかし、蹴り一つだけの攻撃で終わるような訳がなく、再び背筋が凍る感覚を感じると、反射的に体を屈めたときのバネを使って横へ飛び去る。
直後、さっきまでいたところに踏みつけるように足が下りてきて石畳を轟音と共に踏み砕いた。
無理な回避をしたため、バランスを崩した俺にその砕かれた石が襲い掛かり、悪手だと分かっていても腕でガードするしかない。
自分から視界と腕を塞いでしまったものの、直ぐに“円”を発動させて周囲を探ると俺の背後に回ったヒソカが感じ取れた。
トッ……ン
「っ…!!」
だが、俺が反応するよりも早く動いたヒソカの掌が俺の背中に優しく触れるように接触したかと思うと、その動作に似合わない衝撃が全身に襲い掛かった。
受身の態勢を取れず、俺は場外……観客席の下にある壁へと激突した。
幸いにも、とっさにオーラで全身を守ることが出来たので激しい音や衝撃の割には目立った外傷を受けることは無かったが……
「くっ……」
内部は無事だったとは言えず、打ち所が悪かったのか眩暈がして足腰に力が入らない。
四つん這いの状態から立ち上がろうと足掻く俺を、リング上からヒソカが見下ろしてくる。
「半年前に比べれば、格段に強くなったね」
もう終わりだとでも言ううようなヒソカの物言いに、俺はまだ戦えるという意思表示を示すがために、何とか立ち上がる。
10カウントが取れれる前にリングに戻れ
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