第12話「旅立ち」
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になった席へつくと、一口サイズにカットされたトーストやオムレツ、ストローがついたオレンジジュース等が並べられ、トドメとばかりに先の割れたスプーンが置かれた。
もう、諦めている事とはいえ配膳も人任せなので、色々と心にくるものがあるが、ここで無理してナイフとフォークを使ったところで結果は目に見えているので我慢するしかない。
そんな幼児プレイによる羞恥に耐えつつも食べるものは食べて、食後の一服にミルクコーヒーを、これまたストローを使って飲みつつ、パクととりとめのない会話をしていると、何かを思い出したかのような表情をした彼女は一つのパンフレットを俺に手渡してきた。
「何これ?」
「貴女が、行きたいって話してた天空闘技場のパンフレットよ」
「あれ?私、パクに言ってたっけ?」
「ええ、貴女の髪を梳かしてる最中に聞いたら、答えてくれたわ」
「ちょっ、それって聞き出したって言うんじゃないの!?」
サラリと怖いことを言うパクに抗議の声をあげつつも、俺の目はパンフレットに書かれている内容へと注がれていた。
唐突に何を?と思うかもしれないが、何も出来ない日々の中で考え続けていたことだ。
時期的にキルアはもういないはずで……ヒソカはいるかもしれないけど、既に(不本意だが)知人関係だから問題ないだろう。
そこで多少なりとも金を稼いだ後に、200階以上に上がって俺に絶対的に足りない実戦経験をつんでいけば、前回や前々回のようなことにはならないんじゃないのか? と画策していた所だった。
まあ、パクにバレた時点で画策もなにもあったものじゃないが……。
問題点を挙げるとすれば、この案は俺の保護者であるノブナガから許可を取らないとならないし、出発する為も元手も手に入れなければならない(全てを頼るわけにはいかない)し、何より行動云々の前に怪我を治さないといけない。
後は、子供の我侭で終わらないように、マチやシャルと言った交流があって連絡を取り合える団員に口添えしてもらえるよう、根回しをしておくことも必要だろう。
パンフレットを用意してくれるということは、パクは行くことに対しては反対の立場ではないだろうから、彼女を基点に話をしていくとスムーズに事が運ぶはずだ。
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「―――そうだな。実戦が仕事のときだけってのは確かにアレだな」
「だから、行ってみようと思って」
「……分かった。行ってこい」
「ありがとう、ノブナガ!!」
「ぬあっ!? いきなり抱きついてくるんじゃねぇ!!」
「痛っ!?」
根回しの効果があったのかは不明だが、これが三日前にノブナガと交わした会話の内容である。
3ヶ月ほどの療養生活
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