第12話「旅立ち」
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で、俺の事をジト目で見つめるパクには今日も効果があるようには見えない。
そして、いつもどおりの返答が彼女から返ってくる。
「あら、そう? じゃあ、身体に“聞いて”みましょうか」
「ゴメンナサイ。着替エヲ手伝ッテクダサイ」
カタコトで返事をする俺に、何故か額に手を当てて溜息をつくパク。
そんな呆れたような反応をされても、こちらも妙齢の女性に着替えを手伝ってもらうとか、恥かしい以外の何者でもないので小さな反抗心として、頬を軽く膨らませておく……あれ?これ、完全に子供じゃね?
いや、深く考えるのはやめよう。なんとなく墓穴を掘るだけになりそうだ。
何か別の事を……うん。現状の確認をしておこう。
服を脱がされという現象を認識外へと追いやりつつ、自分の意識を内へと向ける。
現在の俺は、先の戦闘で負った怪我を通称”BJ”と呼ばれる医師とそっくりな闇医者による外科処置を受けた後、近くのホテルで入院もどきのような生活を送っている。
というのも、手ひどくやられた為に定期的な治療が必要で、そうなると流星街より近くにあるホテルのほうが何かと便利なためだ。
当然ながら、大怪我をした人間―――それも年端もいかぬ少女という、面倒事臭がプンプンする人間―――を泊める事にホテル側は難色を示したものの、ノブナガによる拳と紙束を使ったOHANASIで快諾してくれたそうだ。(パク談)
……あれ?別に紙束だけでもよかったんじゃね?
ともあれ、ホテルでの療養生活が始まったのだが、ノブナガは用事があると言ってパクに俺を預けると二週間ほど前に出て行ったきり、まだ戻ってきていない。
俺を預ることになったパクなら何か知っているだろうと、聞いてみるも
「ノブナガ、どこいったのか知らない?」
「さあ? 私には分からないわね」
「そっか」
収穫ゼロ。
仕事以外は特に集まることが少ない旅団なのだから、これが普通といえば普通なのかもしれない。
現状確認と言う名の現実逃避をしている間に、俺はパクの手によって綺麗にさせられると、最後の仕上げとして髪を梳かされていた。
毎回、色々と羞恥心を刺激する時間ではあるが、この時間だけは不承不承ながら性転換も悪くないかなと思えたりする。
前世では、物心ついたころからスポーツ刈りであったし、身支度は自分で整えないといけない家庭環境だったから、着替えは断りたいが髪を梳かしてもらうのは待ち望んでいたりしなくもない。
否応なく惚けてしまっている俺の髪を、手馴れた手つきで整え終えたパクは、ルームサービスによって届けられていた朝食の載ったカートを持ってくる。
「ユイ。いつまでも惚けてないで、冷めないうちに食べましょう」
「あっ、うん」
すっかり定位置
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